ユーザーアイコン
お題:昨日食べた錬金術 制限時間:15分 読者:44 人 文字数:597字

食道に森を飼う ※未完

 だって、人の体内は土壌と似ていると思わないか。

 それは「なぜ研究室の共同資産であるホムンクルスを食べてしまったのか」という詰問に対する答えとしてはいささか常軌を逸していた。ーーもし、彼が普通の錬金術師であったなら、だが。
 錬金術が権威を失いつつあるこの時代、錬金術師を名乗る輩はだいたい頭がおかしいか気が狂っているかあまりに純粋が過ぎるか天才かのいずれかになる。
 厄介なことに、目の前のこの男はこれらの条項をすべて満たしていた。だから彼の狂った返答にも誰も驚かない。ただ沈黙することしかできない。
 俺もまた、滔々と続く彼の演説に耳を傾けるしかなかった。三十代の六年間を掛けて幾重もの失敗と偶然を潜り抜けた先に、ようやく奇跡のように発芽した、愛しい子供のような人造の生命を共同研究者の同僚に食われてしまったというのに、何の怒りも湧いてこない。(話の通じる人間ならともかく、落雷や嵐や洪水に拳を振り上げる気にはならないだろう?)

 審問会はそのまま平行線を辿り、数日の後、すべてが有耶無耶になって同僚はお咎めなしになった。責任能力なしと判断されたらしい。同僚はそのまま、何事もなかったかのように研究に戻り、自室にこもって人と話すのを避けるようになった。
 だから、事が露見したのもすべてが終わったあとになってからのことだった。
 彼の部屋のドアから植物の根がはびこり、開かない、と
作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:日ノ宮理李@ハナねね町長 お題:昨日食べた錬金術 制限時間:15分 読者:68 人 文字数:757字
食べ物を美味しいと感じたのはいつが最後だったろうか? 口に食べ物を入れた感触があったのはいつだった?「……」 自分はもう人間じゃないという自覚はあるが、食べる 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
傷の貯金 ※未完
作者:匿名さん お題:傷だらけの貯金 制限時間:15分 読者:20 人 文字数:692字
彼と初めて会ったのはいつ頃だったでしょうか。たまたま授業で隣の席になり、お話する機会があったのです。彼は本当に優しいお方でした。頭も良く、性格も優しく、非の打ち 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:yaichiyo お題:戦艦のデマ 制限時間:15分 読者:14 人 文字数:664字
(#13) 目の前に広がる光景に息を飲んだ。 見渡す限りの炎。それらから立ち上る黒煙。そこかしこに転がっている死体。 操縦桿を握りしめる手のひらからは止めどなく 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
限界点 ※未完
作者:真弓ヽ(=ε=)ノ お題:空前絶後の嘔吐 制限時間:15分 読者:28 人 文字数:367字
「おえっ!」吐いてしまうのはこれで何度目だろうか。数えるだけでまた吐き気を催してくるので彼はそのことについて考えないようにした。「やはり食中毒か…」排水溝の前 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:shojin お題:かゆくなる光 制限時間:15分 読者:8 人 文字数:249字
私の遠い先祖は吸血鬼だったらしい。かつては夜の支配者だった吸血鬼は夜が明るくなるにつれ姿を消した。その血は人と混ざり今も生きている。しかし吸血鬼の特性はもうほと 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:自分の中のところてん 制限時間:15分 読者:12 人 文字数:597字
俺は○○。普通の社会人だ。もう一度いう、普通の社会人だ。ただ一点を除いては。その一点というのは、信じてもらえないかもしれないが、俺の手の甲のアザに「ところてん」 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:日ノ宮理李@ハナねね町長 お題:自分の中のところてん 制限時間:15分 読者:18 人 文字数:863字
緩衝材というのはなんにでも必要であり、「えっと遅れた理由は?」 あたりまえのように人間の中にも存在する。「寝坊のようなものかな?」「寝坊じゃないの?」「うーん 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:勇敢な、と彼は言った 制限時間:15分 読者:9 人 文字数:1010字
そう、確かにテリーは勇敢だった。ただそれは残念なことに、あふれる勇気からくるようなものじゃなかった。奴には足りないものが一つあって、それが無いゆえの行動が勇敢に 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:たった一つの命日 制限時間:15分 読者:10 人 文字数:1151字
「『ケンタくんの命日』という童話を書いたのだけれど、聞いてくれるかしら?」「タイトルの時点で嫌な予感しかしないけど、いいわ、聞くわ」 大鷺高校文芸部の部室で、七 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:東京笑顔 制限時間:15分 読者:3 人 文字数:373字
私は、田舎から出てきたばかりのオタク女子こんな私に友達ができるだろうかと、不安を抱えながら心配させまいと秘めたままそんな尽きない私の悩みは解決しないまま、これか 〈続きを読む〉

の即興 小説


ユーザーアイコン
作者: お題:刹那のコウモリ 制限時間:15分 読者:28 人 文字数:606字
一秒間の変身能力を手に入れた。 たった一秒。一日の内、たった一秒だけ、私はコウモリに変身できる。 数十冊の魔道書を読破し、怪しげな薬にいくつも手を出し、それこ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:女の海辺 制限時間:15分 読者:30 人 文字数:798字
人魚の子を身篭った。 孤独な身の上、それも自営業だったので、誰にも説明を求められはしなかったが、切実な問題として、産むのに良い場所がなかった。人間の病院には掛 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:暗い心 制限時間:15分 読者:54 人 文字数:758字
火傷だらけの鬼がひとり、森を歩いてゆく。 その晩は新月で、鬼にとって幸いなことに、今にも雨を降らしそうな厚い雲が夜空をみっしりと埋めていた。風も重く、優しく、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:孤独な黒板 制限時間:15分 読者:66 人 文字数:690字
その日、登校すると、黒板には暴言が描き殴ってあった。私の名前と一緒に。およそ板書にはそぐわない、たった数文字で黒板の端から端までを埋めてしまうほどの、大きくて 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:3月の動揺 制限時間:15分 読者:67 人 文字数:743字
最近ちょっと困っていることがあって、と、二百年ぶりに再会した旧友は挨拶もそこそこに口火を切った。 最近と言ったって、私たちの尺度のことだ、どうせ三百年以内の出 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:セクシーな善人 制限時間:15分 読者:63 人 文字数:377字
新宿何とか丁目の細い裏路地、丑三つ時の間だけ、とある地縛霊が人生相談所をやっているらしい。しかも、実に盛況であるらしい。先週の土曜は十人以上の大人たちが寒空の 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:当たり前の木 制限時間:15分 読者:63 人 文字数:456字
裏山に佇む一本の白樺が、私の神様だった。 いつから信仰心を抱くようになったのかは覚えていない。物心ついた頃にはもう、裏山で遊びまわった帰り道に、白樺に手を合わ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:戦争と絶望 制限時間:15分 読者:75 人 文字数:861字
どうも私は気が狂っているらしく、ふたつの時間を交互に生きている。 現在と100年後の世界、と言うべきか、100年前と現在の世界、と呼ぶべきか、いまいち判断が付 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:静かな傘 制限時間:15分 読者:68 人 文字数:782字
不思議ではあるけれど、何の役にも立たない代物、というのが世の中にはそこそこ存在する。 祖父から譲り受けたこの傘も、そんな代物のひとつだった。祖父もまた知り合い 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:傷だらけの笑い声 制限時間:15分 読者:55 人 文字数:855字
祖父はレコードが好きだった。 若い頃は歌うことも好きで、ほんのひととき、歌手として活躍したこともあったらしい。祖父の家には、その頃の古いレコードが何十枚も眠っ 〈続きを読む〉