お題:謎の血液 制限時間:15分 読者:47 人 文字数:1051字

ワンオペ
 菜花小学校には、七不思議が伝わっている。
 そのどれもが深夜に起こるため、実際に目撃したものは少ない。そのため、七不思議があることを知っていても、信じているものはごく少ない。
 しかし、それらはすべて本当に起こっていることだった。

 午前0時。菜花小学校の理科準備室に奇声が響く。
「イダダダダ、あー痛い……」
 そんな言葉をこぼしながら、人体模型は棚の中から出てきた。
 この人体模型こそ、菜花小学校の七不思議のひとつ「深夜の廊下を走る人体模型」である。
 とはいえ、最近は走ることが少なくなった。
「あーくそ、何で身体の半分むき出しなんだよ、俺は……」
 人体模型は毎晩この独り言をつぶやいている。
「内臓に風が当たって痛い……。気のせいのはずなのになあ、もう……」
 人体模型は理科準備室の鍵を開け、廊下に出た。彼の内臓の中には、実は学校中の合鍵が隠されているのだ。
「今日はまず、体育館から行くか……」
 人体模型はよたよたと階段を降り、一階の廊下を抜けて体育館へ赴く。
「どうせ誰も来ないし、30分ぐらいやったらいいよな」
 体育倉庫からバスケットボールを取り出すと、体育館の真ん中でつき始めた。
 これこそ、七不思議のひとつ「深夜の体育館でバスケットボールをつくバスケ部員の霊」である。
 5分ほどで飽きたのか、人体模型はフリースローを練習し始めた。50回投げて、わずか5回しか成功せず、首を傾げる。
「まあしょうがねえか。半分内臓むき出しだしな……」
 言い訳にもならないことを言ってボールを片付け、人体模型は体育館を後にした。
 次に向かうのはトイレだ。人気のない校舎四階の女子トイレ、一番奥に5分ほどこもる。
 これもまた七不思議のひとつ、「四番目のトイレの幽霊」である。
「しっかし、人来ないよなあ……。こんなに頑張ってるのに、俺」
 そう、実は菜花小学校の七不思議は、すべてこの人体模型が一人でやっていることだった。校庭を走る運動部員の霊も人体模型なら、動く石像も人体模型だ。校門前の桜の枝にぶら下がっている首を吊った霊も、人体模型の名演である。
「さて、最後は音楽室だな」
 ひとしきり七不思議を再現した後、人体模型は理科室の前まで戻ってくる。向かいの教室が音楽室で、ここでは「ピアノに血痕が飛ぶ」という噂があった。
「ほーれ、ほれほれ……」
 人体模型はピアノの蓋を開けて、鍵盤に腕から血のようなものをたらす。何故模型から血のようなものが出るのか、それは大きな謎であった。
作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
青血 ※未完
作者:匿名さん お題:謎の血液 制限時間:15分 読者:40 人 文字数:721字
ある晴れた日の田舎の山道にて、その死体は見つかった。「刑事さん、これはどういうことなんでしょう」「落ち着いてください、Aさん。あなたがこの死体を見つけたのは、朝 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:パンプキーナ・イトカ/欄橋 お題:魅惑の武器 制限時間:15分 読者:20 人 文字数:846字
誰しもが、己が魂を燃やすことに憧れを覚える。この世界ではそれが″生き様″であるからだ。だからこそ、人は消費することに全てを注ぐ。人は命を消費して生を得る。その法 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:かたぎり お題:わたしの嫌いな鳥 制限時間:15分 読者:3 人 文字数:90字
来は肉を焼いていた。すると、なにやら変な鳴き声がきこえた。「なんだ、近くの鳥たちか。」疑問がはれて来はすっきりした。そして再び肉にもどった。火力をあげて夜を吹き 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:にい お題:遅い豪雨 制限時間:15分 読者:7 人 文字数:824字
梅雨のためにずいぶん前から準備をしてきた。屋根瓦は防水に変えたし、家の外壁は防水に変えたし、あらゆるドア、窓からすべて防水に変えた。つまり防水に変えたのだ。「 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:聖女ミスリア巡礼紀行 お題:許せない弁当 制限時間:15分 読者:35 人 文字数:785字
笑われた。 クラスの友達に、女子に、果てはひそかに憧れていた間島さんにまで、俺は今日笑われてしまったのだ。 みんな口元を隠すなり顔をそらすなりしてたが、その気 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
作者:しろみ@雑多 お題:馬鹿な手 制限時間:15分 読者:18 人 文字数:592字
多ければ多いほどいいわけでもないというのはなにものにも適応される。指が片手に三十本ついていたなら、婚約指輪は三倍になるだろうし、料理をしたなら怪我をすることだろ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:環蜜虫 お題:馬鹿な手 制限時間:15分 読者:20 人 文字数:674字
「友達が失踪しました。助けてください」ヨウタ 投稿日:20xx年 3月30日 00:00 ID:e381a4e3818ee381afe3818ae381bee3 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:夢路 お題:馬鹿な手 制限時間:15分 読者:10 人 文字数:190字
おれの右手ときたら全く抑えが効かない。 いつも気づいたら何かを手にしている。雑踏を抜けたら手に持っている。 りんご、財布その他諸々。 音もなく華麗にスる汚い盗 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
白脳世界 ※未完
作者:匿名さん お題:群馬の小説合宿 制限時間:15分 読者:6 人 文字数:409字
そう…ここは足を運んだものが決して戻らないと名高い合宿所である。一種の心霊スポットのようなものだ。怖いもの見たさに足を運ぶものは多い。もちろん自分も、そういった 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:しろみ@雑多 お題:群馬の小説合宿 制限時間:15分 読者:16 人 文字数:644字
きしきしと床が鳴く旅館の廊下を歩きながら、チエとわたしは濡れた髪を拭いている。文芸部で、まさか電車に揺られて山道を歩くとは想像していなかった。この旅館は学生時代 〈続きを読む〉

雨宮ヤスミの即興 小説


ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:汚れた狐 制限時間:15分 読者:13 人 文字数:956字
「ごん、お前だったのか。いつも栗をくれたのは」 これがやりたい、とある狐は思った。 別に銃で撃たれて死にたいわけではなく、人間にショックを与えてやろうと、こう考 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:やわらかい道 制限時間:15分 読者:16 人 文字数:1467字
固い道を歩き続けると、足が疲れるものだ。 たまにはやわらかい道を歩いたっていいんだよ、とわたしの恩師は言った。「というわけで、ここが世界一やわらかい道です」 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:有名な昼 必須要素:唾液 制限時間:1時間 読者:24 人 文字数:4200字 評価:0人
いくら美人が作ってるからって、こんなのは異常だ。 佐々木フミカはスパイスの臭気漂う会議室を見渡した。 フミカの勤める会社は、お昼時になると二つある会議室の内の 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:優秀な本 制限時間:15分 読者:17 人 文字数:1513字
「この本は非常に優秀な本よ」 彼女は自慢げに一冊の本を掲げて見せる。「何せ、武器になるんだもの」 本はカヴァーがかかっていて書名は見えないが、どうやら大きさと厚 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:左の神話 制限時間:15分 読者:17 人 文字数:1057字
左利きの人は天才が多い。 そういう風潮が、南タモツは嫌いだった。 彼は左利きであるが、ちっとも天才ではなかった。 それなのに、人は左利きであるというだけで、タ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:昨日食べた村 制限時間:15分 読者:24 人 文字数:1028字
村中の人間が、外に出て不安げに空を見上げている。太陽も月も雲も星もない、真っ暗な空を。 夜中に大きな地鳴りがしたことは覚えている。地震のような衝撃で、みんなが 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:輝く暗殺者 制限時間:15分 読者:19 人 文字数:1107字
照岡は優れた技術を持つ暗殺者であったが、特異体質のために実戦では苦労していた。 その特異体質とは、「人を殺した瞬間に体が一分間発光する」という職業上致命的なも 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:失敗のエデン 制限時間:15分 読者:20 人 文字数:1070字
神はそれを見て「悪し」とされた。 それ故に、66番目の「エデンの園」はそのまま放棄されることになった。 現在につながる「エデンの園」ができたのは、それから×× 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:都会のあいつ 制限時間:15分 読者:19 人 文字数:1374字
都会に行ってあいつは変わっちまった。「清い空気の所でしか住めないもんだ。それなのに、あんな汚れた場所にいるからああなるんだ」 じいちゃんはそう言うけど、俺には 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:つらい「えいっ!」 必須要素:コミケ 制限時間:1時間 読者:35 人 文字数:3565字 評価:1人
「えいっ、えいっ……!」 またあのおじさんいるよ、とマナは眉をひそめた。 白髪と長い髭が特徴的なそのホームレスは、マナの通学路にある広い運動公園によく出没する。 〈続きを読む〉