お題:団地妻の脱毛 必須要素:二号機 制限時間:1時間 読者:129 人 文字数:1101字 評価:0人

毛をかけたバトルロイヤル ※未完
これは、とある団地妻の毛を巡る戦いである。

物語は郊外から外れたマルマル団地C棟の502号室で夫婦が朝食を済ませているところから始まる。

「その、本当にやるのか?」
夫は妻の決断に動揺が隠せず、しかし、その決断に念を押した。
「はい、あなたが好きと言ってくれたから。何がなんでも守りとおします」
「そうか。なら、俺から何も言うことはない。……いや、あるな。家の慣習でこんな変なことに巻き込んで悪い」
「いえ、可笑しくて楽しいじゃないですか?」妻は柔和な笑顔を夫に向ける。
「あ、もうこんな時間じゃない。あなた早く行って。今日から出張でしょ」
「あ、ああ……、だが……」
「私のことは大丈夫ですから」
夫を安心させるように言い聞かせる。
「じゃあ、行ってくる」
「行ってらっしゃい」
夫は出掛ける直前に妻のウェーブのかかった黒髪の端を手に取りキスをした。
夫は出掛け中が空洞の鉄の扉が閉まる。
開戦の合図だ。
夫の家では婚姻百日後、嫁は髪の毛を剃らなければならないという慣習がある。従わなければ、夫の血縁である義理の父母、姉と戦わねばならないのだ。
そして、今日は結婚して百日目、妻は事前に夫方の父に髪の毛を剃らないことを宣言した。
義理の父は、短く「そうか」と答えただけだった。
「まずは、私よ」と威勢の良い声が夫を見送りした妻の背後から聞こえた。
「嘘……ここ5階よ?」
妻は振り返りベランダを見ると、硝子戸越しに両手に散髪用の鋏を持ってるお義姉さんがいた。
法より家のルールが優先される者の行動を予想することは不可能だと妻は理解した。
「さぁ、開けなさい」
……家のルールが優先されるとは言うものの、硝子をぶち破ることに良心の呵責を感じるようだと妻は考えた。妻は硝子戸を開けずにそのまま玄関から外へ出た。お義姉さんの声が虚しく響く。
「ま、まちなさーい!!」

剃毛は結婚後嫁が不貞を働かさないためにするらしい。歴代で反発してきた嫁はいたもののその悉くは敗れ髪の毛を剃らされてしまったという。
しかし、妻は負けられなかった。愛する夫が言った何よりも君の髪が好きという言葉を心の宝箱にしまっていて今も夫は妻の髪を愛しているという自覚があるからだ。妻は駆け足でコンクリートの階段を下り、広場へ出た。
そこには義理の父と母が肩を並べて待ち構えていた。
「さぁ、君が不貞を働かない証拠として、また、不貞を働かないように髪を剃らしてもらうよ」
「嫌。息子さんが選んだ配偶者をそんなに信用できないの?」
「できないね」
「なぜ?なぜ?私だけが?」
「君だけじゃない。私の妻も娘も」
「違う。男はどうなの?」
作者にコメント

対戦作品一覧


ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:団地妻の脱毛 必須要素:二号機 制限時間:1時間 読者:184 人 文字数:3662字 評価:3人
「脱毛ババア?」 田中はあくまで真面目な表情で、すっさまじい名前だなあ、と俺は顔をしかめた。 俺と田中は、とある団地に来ていた。かなり古びた建物群で、地元民の田 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:Yokobayashi Daidai お題:団地妻の脱毛 必須要素:二号機 制限時間:1時間 読者:100 人 文字数:2076字 評価:1人
近所の誰かとすれ違う瞬間が一番嫌いだ。 私の暮らす団地の階段は小さい。 お互いに気を使いながら「すみません」なんて言って体を避けながら通るのが苦しくて、私はあ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:新感覚冷やし系魔法少女ヒャド お題:団地妻の脱毛 必須要素:二号機 制限時間:1時間 読者:133 人 文字数:1595字 評価:1人
俺の名前はジョー。 流しの脱毛屋だ。 愛用の脱毛マシン弐号機を手に、西にムダ毛に悩む人あれば西へ。 東にムダ毛に悩む人あれば西へ。 人呼んで脱毛のジョー。 そ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:かたぎり お題:団地妻の脱毛 必須要素:二号機 制限時間:1時間 読者:83 人 文字数:3311字 評価:0人
みなさーん、こんばんはーきょうはー、この阿久津団地へきておりまーす阿久津津団地、どんな女優さんがすんでいるのでしょうかーきになりますねーこれは地方ローカル番組「 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:inout お題:団地妻の脱毛 必須要素:二号機 制限時間:1時間 読者:104 人 文字数:2991字 評価:0人
ぐるぐるとした月が団地の上で蠢き、ときおり地上に目を落とした。眼球は公園に落ち、押し潰された子供がきゃーぎゃーと喚くが誰も気に留めることはない。コンクリート舗装 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
作者:ibarrraki お題:団地妻の脱毛 必須要素:二号機 制限時間:1時間 読者:95 人 文字数:1731字 評価:0人
私が私自身のためにこの体を操縦するようになってから、1年が経とうとしている。かつての不全が去ったことで、私は異なる不全を知った。***蜘蛛、蛇、ピエロ。高所、閉 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:有馬仙 お題:団地妻の脱毛 必須要素:二号機 制限時間:1時間 読者:83 人 文字数:2498字 評価:0人
人には色々とコンプレックスがあるのだが、中でも毛に関する物は女性には当然、男性にも意外と多い。 肌を見せなければ公にもならないし、昨今では脱毛の方法も手近に存 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:海の庵 お題:団地妻の脱毛 必須要素:二号機 制限時間:1時間 読者:129 人 文字数:1101字 評価:0人
これは、とある団地妻の毛を巡る戦いである。物語は郊外から外れたマルマル団地C棟の502号室で夫婦が朝食を済ませているところから始まる。「その、本当にやるのか?」 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
天敵 ※未完
作者:松竹輪子 お題:団地妻の脱毛 必須要素:二号機 制限時間:1時間 読者:87 人 文字数:2432字 評価:0人
「あっ、しまった」 私は掃除機のスイッチを押しながら呟いた。いくら電源をオンにしても掃除機の吸い込み口はウンともスンとも言わない。どうやら、壊れてしまったようだ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:キュウミリ お題:団地妻の脱毛 必須要素:二号機 制限時間:1時間 読者:99 人 文字数:2164字 評価:0人
率直に言おう。俺の家系は代々ハゲを受け継いでいる。 父も兄も……そしてその例外に漏れず、俺の頭は後退し始めてきた。「お前も兄ちゃんに似てきたな、見事にデコ広い 〈続きを読む〉

海の庵の即興 小説


ユーザーアイコン
作者:海の庵 お題:団地妻の脱毛 必須要素:二号機 制限時間:1時間 読者:129 人 文字数:1101字 評価:0人
これは、とある団地妻の毛を巡る戦いである。物語は郊外から外れたマルマル団地C棟の502号室で夫婦が朝食を済ませているところから始まる。「その、本当にやるのか?」 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
塩の味がした ※未完
作者:海の庵 お題:冬の悲劇 必須要素: 制限時間:15分 読者:115 人 文字数:497字
珍しく広島の平野部で雪が降り積もった。とある兄弟は前日の夜にこんこんと雪が降り辺りが白くなっていく様を楽しげに眺め、今日という日を楽しみに寝た。弟の方が兄を一心 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:海の庵 お題:宗教上の理由で殺人犯 必須要素:セリフ無し 制限時間:15分 読者:132 人 文字数:217字
マンスル教の敬虔な牧師の話。彼は話せない。生来から声が出せないでいる。日に三回のマンスルの神との対話は主に手話だった。彼の手話は手慣れた人と比べても動きが清澄で 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:海の庵 お題:地獄スキル 必須要素:吾輩は猫である 制限時間:15分 読者:124 人 文字数:396字
人が死んだら天国か地獄へ行くという話はよく聞くが御伽噺の類いだと思っていた。ありもしない幻想の話。人が死んだら無に還る、身体も心も感覚も何もかも……そう思ってい 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
無題 ※未完
作者:海の庵 お題:頭の中の天才 必須要素:囚人 制限時間:15分 読者:129 人 文字数:225字
オレは馬鹿で、ヤツは天才だった。だが、ヤツにはオレを止められなかった。オレは短期で喧嘩っぱやかった。カッと頭に血が上ったときは、ヤツが巧みに言葉を用いてオレを諌 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:海の庵 お題:愛、それは成功 必須要素:群像劇 制限時間:15分 読者:127 人 文字数:228字
龍が存在し、何千年と年を重ねた樹が人語を解す太古の話。一人の男が一人の女に告白した。女には想う相手がいる旨を述べ、男の告白を断った。男は嫉妬の炎を燃やし、女にそ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
失敗でも…… ※未完
作者:海の庵 お題:熱い失敗 必須要素:5000字以上 制限時間:15分 読者:121 人 文字数:268字
小説を書いた。蝉が鳴きうるさくじりじり照りつける陽射しをよそにクーラーが点いた一人部屋で外の出来事が遠くに感じつつ黙々と物語を綴ろうとした。が、上手くできなかっ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:海の庵 お題:馬鹿な彼 必須要素:ノリツッコミ 制限時間:15分 読者:124 人 文字数:380字
私は彼を小洒落た喫茶店で待っていた。しかし、扉についてある鐘はよろしくなかった。からんと安っぽい鐘の音を鳴らして扉が開いた。来た。彼はキョロキョロして私を探した 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:海の庵 お題:真実のドア 必須要素:芥川賞 制限時間:15分 読者:120 人 文字数:349字
真実のドアはなんでも教えてくれる。コンコンと二回叩いて教えてもらいたいことを尋ねる。私の国ではその真実のドアが裁判の事実認定の判断を担っていた。コンコンと叩く。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:海の庵 お題:嘘のお尻 必須要素:育毛剤 制限時間:15分 読者:116 人 文字数:389字
―猿のなかには青い尻のやつがいる。と聞いたのは私が園児程度の幼少の頃だった。私がそのとき猿のことで知っているのは、桃太郎の猿だ。青ではなかったのを記憶していたの 〈続きを読む〉