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お題:寒い貯金 制限時間:15分 読者:49 人 文字数:616字

流通しない黄金の価値 ※未完

 いったいどんな魔法か、それとも呪いなのかは分からない。
 その子の口から初めて金貨が零れ落ちたのは、まだ物心もあやふやな二歳半のころ、クリスマスの近づいた十二月半ばのことだった。寒空の下、木枯らしに身を縮めながら、寒い寒いと呟きつつベビーカーを押す母親を真似て、その子が言葉を繰り返したとき、白い吐息とともに、小さな唇と歯の隙間から、この世のどの国でも使われたことのない美しい金貨がことりと落ちたのだ。
 母親は、最初のうち、気づかなかった。ベビーカーのクッションの上に転がる、やけに精巧な金貨を摘み上げてなお、それがおもちゃだと思っていたのだ。彼女も、夫も、まだ一度も本物の金を触ったことがなかった。だから分からなかったのだ。
 だが、年が明けて幾ばくも立たないうちに、ことは明らかになった。さぁ散歩に行きましょうと母が玄関を開けたとき、吹き込んだ冷たい風に子は身を竦め、嫌だ嫌だ寒い寒いと言った。玄関のタイルの上に金貨が続けざまに落ちた。それがポケットからではなく、子の口の中から転がり落ちたのを、注意深い母は見逃さなかった。慌てて子の口を開かせ、おもちゃを食べたら窒息するでしょうと叱ってみたが、その小さな口の中には何もない。子がまた寒いと言ったとき、何もなかった口の中に忽然と金貨が現れた。母はすぐに現実を理解した。

 両親が取った行動は、すぐさま家を引き払い、熱帯へ移住することだった。
 たとえ夜風が冷たくても、ど
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