お題:宿命の川 制限時間:15分 読者:27 人 文字数:578字

川沿いの最期
霧雨のなか、私はひとり、川沿いを歩く。ほんの少しの口笛と一緒に。うちの生徒の姿は最早ないし、出歩く人だってこの時間は少ない。だって平日の真っ昼間。こんな時間に歩く制服姿のほうがイカれてる。
「今日、午後から結果だけ取りに行きますから」
私は昨夜、そう担任のおじさんに連絡を入れておいた。返答を待つまでもなく、言うことだけ言って電話は切った。
勝手なハモりを旋律に付け加える。青春の一コマ、幼馴染との関係の変化を歌ったポップ。イヤホンのなかだけでハモる私の歌。たぶん側から聞いたらズレにズレたデタラメなメロディ。
テストの結果くらい見たいじゃない、なんて思って1週間ぶりに制服に袖を通した。久しぶりに下げた鞄が私の右肩に食い込む。左肩は既に痛くて鞄の重量に耐えさせようとも思わない。
「春はなー、紫外線やばいんよー」
呑気な声が蘇る。ハル、なんて名前の春が嫌いな不思議ちゃん。家出常習犯。変に気があうのはきっと逸れものだからなんだろう。
ああ、そういえばこんな会話したんだっけな。自転車どこやったっけ。たしか、2人してのんびり遅刻した5月の晴れた朝。無頓着な私と、神経質なまでに気を使うハル。
ま、だからなのかもしれないな。
学校抜けるのは私が先さ。じゃあね、学校。私は呟いて、校門をくぐる。
作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:宿命の川 制限時間:15分 読者:115 人 文字数:970字
どうしても、うまくいかない。 俺は目の前で横たわる女の死体を見てつぶやく。 この女が死んでしまうのは、もう三度目だ。 また時間を遡行しても、同じ結果が待ってい 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:黒尽くめの罪人 制限時間:15分 読者:4 人 文字数:221字
僕は闇夜に乗じて動く。闇に埋もれるように上から下まで全部黒。コーディネートとか買う服の選択にも困らない。すべて黒だからだ。 どうせ暗いんだから色なんてどうでも 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:Ammo_June お題:うわ・・・私の年収、故郷 制限時間:15分 読者:11 人 文字数:1022字
開拓時代とは、基本的にどの年代においてもおおらかな時代である。なんといっても、結果さえ出せばだれもが一夜にして億万長者になれる時代、あるいは終の棲家と安定した 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:にい お題:うへへ、女祭り! 制限時間:15分 読者:9 人 文字数:755字
池の傍に座り込んで餌をやっていれば誰でも人気者の気分が味わえる。水面から口を出してぱくぱくせっついてくる鯉は、我先にとほかを押しのけんばかりの勢いである。 雑 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
デコ弁当 ※未完
作者:雷藤和太郎 お題:怪しい昼 制限時間:15分 読者:16 人 文字数:867字
「あ、ありがとう」 周りのクラスメイトがざわついたのも無理はない。俺の目の前には学年でもかなり目立つギャルが立っていて、その手にはクロスに包まれた弁当が提げられ 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
作者:ロケット お題:怪しい昼 制限時間:15分 読者:19 人 文字数:818字
前山丹波駅の東口を出て正面、ホテルニュータンバ沿いの通りを歩いて2つ目の信号を右に。少し狭い路地を進んだところのコンビニエンスストア隣に、そこはある。 気を付 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:むぢから お題:怪しい昼 制限時間:15分 読者:20 人 文字数:833字
勇者、山田花子は暴虐者としても知られていた。魔物たちは山田花子によって見るも無残な目にあい、成敗されていた。その世界の悪は山田花子の名を聞けば即座に震え上がり、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:Ammo_June お題:怪しい昼 制限時間:15分 読者:15 人 文字数:1134字
ドラッグパーティで、コカイン粉末の後にヘロインタバコを吸った僕は、ジミ・ヘンドリクスが舞台の上でギターを使ってファイア・パーティした時に会場を盛り上げたファイ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:日ノ宮理李@ハナモモほっけ団 お題:ゆるふわな善 制限時間:15分 読者:25 人 文字数:1261字
一日一善をしなさい。 少女は毎日のように小さなとても見えない気遣いをし続けた。 誰かが忘れた落とし物を交番や、落とし物入れにいれたり、消し忘れの黒板を消してあ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ホノミ お題:少年の恋人 制限時間:15分 読者:12 人 文字数:1003字
あの日の少年は今はどこにいるのだろう。私はふと、そんなことを思った。これは私が中学生だった頃の話だ。隣の空き家に1組の家族が引っ越してきた。そこには、子供が1人 〈続きを読む〉

ミアの即興 小説


ユーザーアイコン
作者:ミア お題:宿命の川 制限時間:15分 読者:27 人 文字数:578字
霧雨のなか、私はひとり、川沿いを歩く。ほんの少しの口笛と一緒に。うちの生徒の姿は最早ないし、出歩く人だってこの時間は少ない。だって平日の真っ昼間。こんな時間に 〈続きを読む〉