お題:神の裏切り 制限時間:15分 読者:90 人 文字数:761字

さすがに聖書ではないと思うんだけど
 これは僕が高校二年生の時の話なんだけど……まあちょっと聞いて欲しい。
 僕のいた学校は普通校で、頭が良いわけでもなければ、特に荒れているわけでもなかった。だから同期にも飛び抜けた奴がそういなくって……一言で言ってしまえばつまらない奴が多かった。残念ながら僕だってその例外じゃなくって……何事においても『中の中』みたいな人間だった。まあ、僕の話は置いといて……そういう学校に限って、自分を変わったように見せようっていう人間が出てきてしまう。根が普通なのに、無理に出る杭を演じるのは見ていてとても痛々しかった。ファッションと称して無駄に制服を着崩すかっこ付けや……いやそういうのはまだマシとも言える。一番痛々しかったのは中二病の奴かな……。二年と三年の時クラスが一緒だったんだけど……確か長澤だったか……中嶋だったか…………え? 全然違うって? いや、仲良くしていたわけでもなかったからさ、名前もうろ覚えなんだよね。ただ、その奇行が一つだけ記憶に残っていて……。普段から哲学者が書いた本の訳書を休み時間に開いているようなやつだったんだけど……あれはバレンタインデーの日だったなあ。これまた一段と分厚い本を広げていたんだよね。誰が書いた本かは覚えてないなあ。とにかく、本人はそれが知的に見えると思ってて、バレンタインにできる精一杯のカッコつけだったんだろうね。休み時間のたびにその本を開いているのを周囲の男子は陰で笑っていたけどね……。で、本人としてはそのアピールを以ってバレンタインにチョコをもらうつもりだったんだろうけど……結局下校まで、チョコはおろか彼に話しかける人間すらいなかった。そしたら、放課後に……急に「神は死んだ!」と言って立ち上がり、カバンを荒々しく取って帰って行ったんだよね……。あれは面白かったなあ……。
作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:DDT お題:意外な熱帯魚 制限時間:15分 読者:7 人 文字数:416字
タイの田舎町に、魚のお祭りっていうのがあるんですよ。居酒屋のカウンター席で、隣に座ったおやじが話しかけてきた。箸の先に、なんだかわからない魚の切れ端をつまんで、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:幼い音 制限時間:15分 読者:2 人 文字数:386字
ピンと背筋が伸びるような凛とした音というのが第一印象だった。長く細く、そして美しい指が鍵盤の上で踊っている。思わずため息がこぼれる。自分とは違う……。 自分も 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:へちま お題:楽観的な冤罪 制限時間:15分 読者:7 人 文字数:646字
まさか、こんなことで。とも思ったが、これはきっとひとつのきっかけに過ぎなかったのだと思う。前々から彼女には、僕に対して思うところがあったのだ。僕にとってはとるに 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:絹糸 お題:臆病なお天気雨 制限時間:15分 読者:13 人 文字数:745字
山間部に住んでいた私にしたら、当たり前のことで何とも思ってなかった。「晴れなのに雨が降ってるんだね」東北なまりで私の隣を歩く転校生。太陽の下に降る雨を不思議そう 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:タサオカ お題:賢い狂気 制限時間:15分 読者:15 人 文字数:869字
バーサーカーと呼ばれる職種があるのを皆さんご存知だろうか?狂戦士、詠んで字のごとく狂える戦士のことである。彼らが前衛に居れば大変頼もしいだろう、敵はこちらに攻撃 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
作者:明日香 お題:今の絵描き 制限時間:15分 読者:8 人 文字数:808字
白が一番早く無くなることが多いと先生はいっていたけれど、僕の場合は黒だった。 図工の時間で一番好きなのは、自由に絵を描いていいといわれたときだ。クラスの皆は犬 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:当たり前の父 制限時間:15分 読者:2 人 文字数:1182字
「洗濯物一緒にしないでって何度も言ってるでしょ! なんで何回言っても分からないの!?」 私がそう言うと父はいつも決まって「すまん」と言うだけで、本当に反省してい 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:明日香 お題:女の弔い 制限時間:15分 読者:8 人 文字数:762字
なぜ泣かないのかと問う人は、悲しみの表現方法が涙だけだと思いこんでいるのだろうか。 それをいったのは夫の親戚だった。この日が私と初対面ということは、夫の生前も 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:高い子犬 制限時間:15分 読者:4 人 文字数:903字
犬を買った。 別に高くも安くもない、普通の雑種犬だ。 私自身、これといって犬にこだわりもないので、何でもよかったのだ。ただ、半世紀以上生きてきて、父と母もなく 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ミズノガク@即興小説82日 お題:愛すべき税理士 制限時間:15分 読者:9 人 文字数:460字
正直僕は彼についてよく知っているわけではないが、彼は多くの人に愛されている。どこから話せばいいだろうか。一言で言うならば、まず人当たりが良い。とても穏やかな性格 〈続きを読む〉

臆病監督の即興 小説


ユーザーアイコン
作者:臆病監督 お題:天国の闇 制限時間:15分 読者:96 人 文字数:450字
雨の降る帰り道だった。わかりやすいぐらいにセンチメンタルな空だった。 喪服姿の女性が傘を差し、娘と思しき少女を連れて歩いているのとすれ違った。年端も行かない少 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:臆病監督 お題:神の裏切り 制限時間:15分 読者:90 人 文字数:761字
これは僕が高校二年生の時の話なんだけど……まあちょっと聞いて欲しい。 僕のいた学校は普通校で、頭が良いわけでもなければ、特に荒れているわけでもなかった。だから 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:臆病監督 お題:殺された狂気 制限時間:15分 読者:112 人 文字数:897字
私の兄はバンドを組んでいました。 少しだけ私の話をします。少しだけというのは、少ししか話す内容がないからです。 私は平凡な人間です。高校生三年生で、両親と、七 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:臆病監督 お題:男同士の音 制限時間:15分 読者:151 人 文字数:629字
私は男性成人向けの映像作品(通称:エロ動画)を見ることを趣味としている者である。 酒の席などで「男しかいないから」とついその事について溢してしまうと、男なら皆 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:臆病監督 お題:2つの秀才 必須要素:正月 制限時間:15分 読者:133 人 文字数:486字
秀才というのは天才とは違う。どこが違うかについていえば、秀才は後天的なもの、天才は先天的なものである。もちろん、秀才になるためにもある程度の素質は問われるかも 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:臆病監督 お題:オチはロボット 制限時間:15分 読者:182 人 文字数:845字
「聞いてくれよ」 足で回転椅子を蹴り、デスクから180度回転する。昼休みではないが、これぐらいの雑談は許されてしかるべきだろう。いい加減、二・五次元のコードを書 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:臆病監督 お題:美しい第三極 必須要素:外国語・外来語禁止 制限時間:15分 読者:197 人 文字数:867字
日本が一八五八年に鎖国を解いてから何年経つだろうか。 歴史は繰り返すというが、私のいる『日本』は再び鎖国を敷いている。 しかし、歴史が繰り返すには少し早過ぎる 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:臆病監督 お題:鈍い喪失 制限時間:15分 読者:201 人 文字数:560字
私はヘッドホンを外した。 多くの人間が『いま』を失う。 大切なものを壊してしまって、二度と元通りにならない――とか。 恋人と別れてしまって、二度と会えない―― 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:臆病監督 お題:宿命の喜び 制限時間:15分 読者:237 人 文字数:1738字
「こう、電動歯ブラシがあったと」 僕は壇上でとうとうと語る。「それを、こう、掴んで、こう?」 僕は学生たちに問いかける。 しかしそれは残念ながら学生たちの心には 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:臆病監督 お題:安い孤独 制限時間:15分 読者:284 人 文字数:803字
22世紀を境目にして起きた圧倒的な人口爆発。前世紀ですら地球に人間が溢れているといわれていたのに、現在起きているのは限界を超えた超過密状態。地上には隙間なく住 〈続きを読む〉