お題:愛すべき小説家たち 制限時間:15分 読者:28 人 文字数:840字

隣人さんは吸血鬼

何故かログアウトされていたので、前のお題で書きます。
お題 夜の人

時刻は二十時。そろそろお隣さんが動き出す時間だ。案の定、隣の部屋からガサゴソと音が聞こえてきた。
やっと起きたみたい。
鏡の前に行き、身だしなみを整えた。
露出の多い服装。線の細い身体が映る。何度も女の子みたいと馬鹿にされてきて、コンプレックスだったもの。
けれど、今はそれで良かったと思っている。
一応とティッシュをポケットに入れて、僕は隣の部屋に向かった。

僕の隣人さんは夜行性だ。
同時にアパートの管理人をしている。このアパートには僕と隣人さんしかいないというのは、入居して初めて知ったことだ。
一人暮らしを始めるにあたり、学生の身ではあまりお金が用意出来なかった。そんな時、特別に安い物件を見つけた。それがここだった。
曰く付きの物件らしかったが、他を選ぶ余裕もなかった。曰くと言っても自殺やら殺人の類ではないと聞いたことも、僕の契約を後押しした。
幽霊とか妖怪なんているわけがないと、あの時の僕は思っていた。

実際、曰く付きだったんだけれど。
というより、僕は今“曰く”の前にいる。

曰くとは、隣人さんのことだった。
僕の隣人さんは俗に言う吸血鬼というものだった。
では何故、自分から会いに行く間柄になったのか。

入居初日、お隣さんに挨拶に行った僕が見たのは小学生くらいの女の子。目の下には濃い隈があった。
不機嫌そうな目を向けていた。
背丈の関係上、彼女は足から上に目線を動かしていき、最後に僕の顔を見た。

僕の運命はこの時変わってしまったのだろう。

「か、可愛い……」

か細い呟きが聞こえたかと思うと、彼女は僕に飛びついてきた。
僕は首を掴まれ、小さい女の子とは思えない力で扉の内側に引き倒された。
あまりの出来事に、僕は動転して動けなかった。
その間に彼女は僕の首筋を舐めて、鋭利な牙を突き立てた。

「ふふ。お前、気に入った」

僕は何故か彼女に気に入られてしまったのである。
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