お題:斬新な野球 制限時間:15分 読者:53 人 文字数:901字

プロレスベースボール
 超人野球漫画で魔球などの現実離れしたものが出てくると辟易するくせに、それでは極めて一般的な身体能力しか有さない人間たちのみで繰り広げられる野球漫画を見ると面白さを見いだせない俺は、そもそも野球漫画というものと馬が合わないのだろう。
 しかしそんな俺でも、ある野球漫画だけは面白いと思えた。
 それは『プロレスベースボール』という野球漫画だ。

 この漫画、困ったことに野球をしない。
 正確には野球と呼ばれる球技が確かに存在し、プロリーグがあり、人々の多くはそれを見て熱中するわけだが、実際には資本を出すプロモーターによって勝敗が決する、いわば「立ち合いは強く当たって後は流れで」的な野球界なのである。
 人々がそれでも野球に熱中できるわけは、プレーヤーの誰もが「真剣に野球を行っているように演じるプロ」であるからで、野球自体の上手さもさることながら、試合運びをプロモーターの期待通りに盛り上げることにも心血を注ぐ演者でもあるからだ。
 ここが非常に面白いところで、この場面では必ずホームランを打たなければならない、そういう風にドラマが作られるべきであるとなっているところで、プレーヤーが未熟な場合ホームランにならないことが起こってしまう。すると、観客は「試合運びが上手くないこと」にガッカリするわけで、その尻拭いをするために、様々な部分で修正を行う必要がある。
 例えばホームランにすべき球が凡庸なレフトフライになったとしたら。守備側が単純にエラーをしてしまえば観客としては面白くない。レフトはキャッチをするが、そこからのタッチアップ返球がわずかに反れる。わずかに反れたものが積み重なりキャッチャーとランナーが激突。ランナーは生還し、キャッチャーは次の打席で本来打つはずだったヒットをふいにする。それを見ていた外国人選手が乱闘を起こす……など。
 バタフライエフェクトという言葉があるが、この『プロレスベースボール』は、期待される試合運びが存在し、そこに予定不和が現れることによって必然的にバタフライエフェクトが起こりやすくなる環境が作られる。現実に行われる野球とはまた違う真剣勝負が見られるのだ。
作者にコメント

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