お題:綺麗なお金 制限時間:15分 読者:18 人 文字数:546字

がんじがらめだ ※未完

 生まれた時からおれは暴力と酒と性の香りが充満した場所にいた。この街には教会や修道院なんていう施設がないので、おれの親が生まれたばかりの親をあろうことか街で一番の盛り場の前に捨てていったのだ。さぞかし頭の軽い女だったのだろうと思う。なぜ分かるのかと問われればそんなことしなきゃならないような女は大抵この店で働いているからだ。顔も覚えられないような男に抱かれて酒を飲み、子を産んで捨ててこの街を出ていく。そんな女は少なくない。
 奇跡的にこのキャバレーの支配人の女の香水臭い胸に抱かれ育てられたおれは、今やこの店の用心棒。顔も知らない母親が、もしくは神様が俺に唯一与えたもうたのは決して良いとは言えない目つきと高い身長だ。ステージの上で乳だの足だの放り出して踊る女たちに過ぎた「おいた」を働こうとする男を店の裏に連れて行って追い出すのが仕事で、与えられる報酬は月に20万ほど。この街で暮らしていくには充分すぎる額だが、外で暮らしていくには全然足りない程度のものだ。要するに、ここで飼い殺されて死んでいくのが決まっているのだ。
 酒と、香水と、性。そんなものに塗れた札束を懐にねじ込んで、女どもが暮らす部屋を抜けて自室に向かって、未練がましくむつかしい分厚い本の間に金を未練がましく挟んでいる。
作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:綺麗なお金 制限時間:15分 読者:26 人 文字数:1156字
母方の曾祖母は、僕が物心ついた頃には既に寝たきりで、末期はぼけたようになっていた。 五歳の時、僕が両親に連れられて見舞いに行くと、僕の頭を優しくなでながら「お 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:キュオン お題:輝く魚 制限時間:15分 読者:9 人 文字数:523字
きらりきらりと魚たちが水中にその鱗をきらめかせている。太陽の光を反射した一瞬のその輝きは彼らの短い生そのもののよう。この広い深い海をきらりきらり必死に生きる彼 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:がしゃ お題:永遠の部屋 制限時間:15分 読者:9 人 文字数:1108字
目をあける。目を閉じる。さぁ、起床の時間だ。僕は朝起きるときのこの動作をいつも欠かさない。そうした後の、窓の外の景色は朝日を燦燦と讃えていて神々しく見えてくる。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:にい お題:哀れな夕飯 制限時間:15分 読者:10 人 文字数:754字
裏手の林で捕まえた子羊をローストしておいしくいただいた。小洒落た言い方をしてみたが、ようは直火で焼いただけだ。じっさい、その肉が羊であったかもよくわからない。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
※未完
作者:紡木 詠士*小説家になろう お題:純粋な戦争 制限時間:15分 読者:9 人 文字数:373字
「いただきます」開始の号令により3年2組の昼食が始まる。今日の給食は豪華であった。ご飯、牛乳、ピーマンの肉詰め、ごぼうサラダ、わかめスープ、デザートにクレープ 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
作者:九夜月 お題:儚い体 制限時間:15分 読者:3 人 文字数:521字
駅のホームでふと何気なく目をひくものがあった。なんの、特別なものではない女の子の笑顔。隣の彼氏に向けられた笑顔は、私には輝いて見えて特別に眩しかった。将来私も結 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:こあら お題:暗黒の音楽 制限時間:15分 読者:11 人 文字数:790字
僕は作曲者だ。ピアノに手を置き、頭の中で音楽を作りながら指で実際に奏でていく。その音たちを紙に書き込んでいき、僕の音は作られる。僕は楽しい音楽が好きだ。跳ねるよ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:暗黒の音楽 制限時間:15分 読者:3 人 文字数:423字
暗闇の中でピアノの音が響いている.音は目の前の音楽室から聞こえてきているようだ.今はもう真夜中だ,こんな時間にピアノがなっているのはおかしい.おかしいといえばな 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:夜のピアニスト 制限時間:15分 読者:12 人 文字数:898字
ただ彼女はピアノを奏でているだけなのだ。そのことが、何だか急に愛しく思えてきた。 深夜二時に音楽室に行くと、ピアノを弾いている女生徒の幽霊がいる。 たったそれ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:鬼龍院asanuma お題:夜のピアニスト 制限時間:15分 読者:14 人 文字数:709字
金曜日の夜は、華やかである。 ここ、スターダストラウンジは都会の夜景が一望できるバーで、夜のデートスポットとしてカップルによく利用されている。今日は金曜日の夜 〈続きを読む〉

まちやの即興 小説


ユーザーアイコン
作者:まちや お題:綺麗なお金 制限時間:15分 読者:18 人 文字数:546字
生まれた時からおれは暴力と酒と性の香りが充満した場所にいた。この街には教会や修道院なんていう施設がないので、おれの親が生まれたばかりの親をあろうことか街で一番 〈続きを読む〉