お題:薄汚いキス 制限時間:30分 読者:25 人 文字数:615字
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死は次の始まり
「ここでオレたちも終わりか……」
「…………」
 ボロボロになって倒れている一組の男女がいる。まだ若い男の方がひゅーひゅー鳴っている喉をなんとか使って独りごちている。同い年だろう女は何も言わず、目を閉じている。
「もう動く力もねーなあ。結局、おまえの願いも叶えられなかった」
「…………」
「悪いと思ってる、ホント。でも、このままここで一緒に死ぬのも、」
「嫌よ」
 やたらとはっきりした声に、男は女を見た。女は感情のない、底の見えない目で男を見ていた。
「なんであんたと死なないといけないの、嫌よ」
 女はぼろぼろの格好のまま立ち上がった。その立ち方に力がない気配はなかった。
 立ち上がって男を見る目はひどく蔑みを帯びていた。
「はい、あんたもアウトー。折角ここまで進んできたのに、ここでゲームオーバーとかほんとに嫌になっちゃう。前までのやつらとは違って、骨のあるやつかと思ったのに。……でも安心して。あんたはここで終わりじゃない。死んでもまた呼び戻してあげるから」
 女の手に炎が燃え始め、青色を呈し始める。
「……まさか、おまえが今まで操ってきた炎って……!」
「そう、あたしに思いを寄せて死んだ男の魂。あんたもこれからこの仲間入りね」
 女はさまざまな種類の炎を操ることができたが、それは死んでなおエネルギーを燻らせ続ける魂の炎だったのだ。
「大丈夫よ。これからは戦力として愛してあげるわ」
 燃えている炎に口を寄せた。
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