お題:商業的な狼 制限時間:15分 読者:175 人 文字数:588字

サラダ薄焼きせんべい ※未完
 部屋はぬめりと重たい空気に満たされていた。肌にまとわりつくような、もはや湿度というよりは粘度というのが相応しい、不快な嫌らしさだった。それを掻き分けて、茶封筒が“狼”の前に差し出された。“狼”はそこから札束を引き出すと、指で弾いてその枚数を数えた。
「で、依頼は?」
「お義母さんを……殺してほしい」
 ガラス張りの机を挟んで対面のソファに座る女は、ガラスに映る“狼”の顔を見つめながら答えた。その声と同じくらい、膝の上できつく握りしめた拳が震えている。
「ふん。遺産か? それとも、介護疲れか?」
「なっ、なんだっていいでしょ! あんたは仕事をしてくれれば、それでいいのッ!」
 震える喉で無理に出した大声が空虚に響く。しかも、女は顔を上げないまま。その滑稽さが、“狼”は面白くてしょうがない。喉を鳴らして笑うと、ソファの背もたれに寄りかかって脚を組んだ。。
「まあ、その通りだな。悪かった。任せておけ。契約成立だ」
「ッ…………ふん!」
 女は最後まで“狼”の顔を直視できずに、事務所を出て行った。きっと、その異様に大きな耳と、頬の中ほどまで走った傷痕とが怖かったのだろう。
 “狼”は上着を羽織ると、仕事道具を手に部屋を出た。
「今回も、楽な仕事だな……」
 虚しさとともに息を吐き出した“狼”は、このとき、まだ知らない。
 “赤頭巾”と呼ばれる、恐ろしいヒットマンが
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