お題:僕と洞窟 必須要素:200字以内 制限時間:15分 読者:43 人 文字数:412字

誘い
雨が上がった。そのことを音の多寡で知る日が来ようとは思わなかったけれど。
のそのそと岩にはっつけていた体を起こす。ぴしりという痛みが背筋を伝った。
暗闇に慣れたままの目で洞窟から一歩出ると、まだ曇り空が広がっていた。はて、どれだけの時間を洞窟で過ごしていたやら僕にはわからない。ただ雨宿りに洞窟を選んだ僕の完成は、寝心地の点で悪かったと言える。
一つ伸びをする。どうやって町へ帰ったものか、まだ重い色の曇天を見上げると、ふいに誰かが僕を呼ぶ声がした気がした。
反響するような、広がる声。
思わず洞窟の方を見やる。確かに先ほどの声はこちらからしてきた。誰かいるのだろうか、もう一度洞窟に足を踏み入れた。一歩、二歩、 三歩、

気が付いた時にはもう入口の方向すらわからなかった。暗闇の中に滴る水滴の音、ただ僕は無我夢中で足を進めていた。
僕を呼ぶ声は、ほんとうに聞こえていたものだったのか。
それすら、僕はもうとうに忘れていた。
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