ユーザーアイコン
お題:彼の超能力 制限時間:15分 読者:35 人 文字数:613字

この世に一人のマイノリティ ※未完

 空を飛んだり、未来を視たり、物を触れずに動かしたり、人の心を読み解いたり。
 かつて魔法という言葉に託されていた憧れが行き場を失い、入れ替わる形で与えられたのが超能力というやつだ。つまりは魔法と同じ、人間にとっての想像力の余白。
 あくまでも真っ白な余白でしかないが、失ってしまっては息が詰まるもの。
 そしてあくまでも余白だから、本当に、本当の、超能力者という奴は、いない。悪魔の証明だと言うなら留保を付けよう、悪魔と同程度には、いない。

 やたらに明るい蛍光色の背表紙ばかりが並ぶ、大型書店のスピリチュアル・コーナーで、どれもこれも似通った温度のタイトルたちを眺めながら、この世でたったひとりの超能力者である彼は、薄い軽蔑の思いを飴のように味わっていた。隣に背を丸めたサラリーマンの男が立ち、五分ほど立ち読みをしてから、宇宙と前世について高らかに歌いあげている本をレジに持って行った。まあ出版社と書店と著者が儲かるのは良いことだ。たぶん。
 彼は本来の目的である向かいの棚に目を戻し、経営とリーダーシップの本を丁寧に三冊ほど吟味して、経済雑誌と一緒にレジへ持って行った。

 彼は自身が超能力者であるとは自覚していない。気づいたとたんに羞恥で死んでしまうだろう。
 さらに言えば、彼の超能力は、空を飛ぶことも未来を視ることも物を動かすことも人の心を読み取ることもできない。人間にとっては一切役に立たないし、それがty
作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:彼の超能力 必須要素: 制限時間:15分 読者:30 人 文字数:778字
わたしの部屋は汚い。部屋が汚い人間はおおよそ二種類に大別される、というのは長らく汚部屋で寝食をこなしてきたわたしの持論である。汚部屋に住む人間の友人もまた汚部屋 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:大好きな犬 制限時間:15分 読者:0 人 文字数:365字
「チョコ、行くよー」たまちゃんがわたしを呼んだ。わたしは我が主人の甲高い声のする方へ、フローリングの床をカチャカチャと音を立てて走る。わたしは散歩というものはあ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:打算的なわずらい 制限時間:15分 読者:3 人 文字数:708字
屋敷の正門前には、ずらりと牛車が並んでいた。「ちょっとちょっと、ここって大納言さまのお屋敷だろう? 何だってんだい、たくさん車が並んで」通り掛かりの女の行商が、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:mee お題:とびだせ車 制限時間:15分 読者:11 人 文字数:1710字
なにひとつ出来ることなんてないと分かっていたのに、どうしてか筆をとってしまいました。 最期に、君になにか伝えられることがあるだろうかと、一行分の空白を使ってし 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
冷たい国 ※未完
作者:匿名さん お題:冷たい国 制限時間:15分 読者:4 人 文字数:545字
氷の都、とでも呼べば良いだろうか。今こうして歩いている場所は、大路の幅も屋敷の配置も、何もかも、生まれ育った平安の都と同じなのに、すべてが雪と氷でできているよう 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
作者:むにゃむにゃ@即興 お題:潔白な信仰 制限時間:15分 読者:9 人 文字数:632字
木々に囲まれて教会は建っていた。都市部より少し離れた所。それは山の麓にあった。私がそこに立ち寄ったのはほんの偶然である。中に入ると、とても暗い。そして暗さとは対 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:西 杞憂 お題:狡猾な夏休み 制限時間:15分 読者:25 人 文字数:4字
パンチラ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:mav934kd9k3 お題:怪しい野球 制限時間:15分 読者:8 人 文字数:538字
子供のころ、市民プールで野球の試合を見たことがある。プールでだ。ありふれた25メートルの競泳レーンのそれぞれの辺に塁を作って、ピッチャーがプールの中から浮き輪で 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:きちんとしたプレゼント 制限時間:15分 読者:3 人 文字数:253字
「…………また彼岸花だ」 かっちりと小さな段ボールで送られてきた彼岸花の花束。今日は私の誕生日だった。「なんで彼岸花なんだろう」 私にはさっぱり理由がわからない 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雷藤和太郎 お題:きちんとしたプレゼント 制限時間:15分 読者:10 人 文字数:914字
今日は失敗ばかりだった。 美希に告白すると決めてから今日の日に向けて準備した様々なものが全て空回ったのだ。デートに悩んだときに、ここならば間違いないと雑誌に紹 〈続きを読む〉

の即興 小説


ユーザーアイコン
作者: お題:今年の勇者 制限時間:15分 読者:13 人 文字数:602字
厳選なる籤引きの結果、という前置き付きで、ついに呼び出しが掛かった。 狭苦しい玄関の向こう、日差しを受けたラッパが一瞬輝くのを見ただけで、今年の勇者にはそれが 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:勇敢な祖母 制限時間:15分 読者:13 人 文字数:570字
臆病で何が悪い、というのが祖母の口癖のひとつだった。 善良で、勇敢で、優しくて、利他的であった自慢の夫を、その性格が必然的に導く自己犠牲の精神によって失ってか 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:静かな海風 制限時間:15分 読者:18 人 文字数:864字
明け方、波打ち際で、若い鴎が冷たくなっていた。 もっとも、若い、というのは単なる想像だ。なんとなく、その硬く閉ざされた瞼の感じとか、僅かに開いた嘴の色合いだと 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:元気な嘘 制限時間:15分 読者:18 人 文字数:497字
元気であると嘘を付く度に、いつもどこかで鈍く鉄の味がする。知らぬ間に口内を噛み締めているのかもしれない。あとでこっそり鏡に向かって舌を出してみるものの、血の 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:近い会話 制限時間:15分 読者:25 人 文字数:587字
机に広げた左手の、奇妙に捻れた小指の爪は、貝の裏面のような紫色で、自分の一部とは思えなかった。剥がしたばかりの絆創膏には茶色い血がたっぷり染みこんで重たく膨ら 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:怪しいセリフ 制限時間:15分 読者:21 人 文字数:568字
そんなこと言ったっけ、と旦那は笑った。それが照れ笑いではないことは声の響きから明白だった。旦那はただ、驚き、不意を突かれ、不思議そうに、面白がって、そう言った 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:淡い世界 制限時間:15分 読者:21 人 文字数:920字
ゆらぐ光、ほどける輪郭、網膜に滲む世界、水彩絵の具を使えば優しい人だと思ってもらえるんじゃないかと、そんな妄執に囚われたのはいったいいつのことだったのか。おそ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:無意識の小説合宿 制限時間:15分 読者:24 人 文字数:800字
夢の中で書かれる小説の多くは日の目を見ない。なぜって、夢と文字とは相性が極端に悪いのだ。 それでも昔は別に何の問題もなかった。焚き火や暖炉の傍で舌によって語ら 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:ひねくれた娼婦 制限時間:15分 読者:27 人 文字数:623字
人間という種族の歴史において、もっとも最古の職業は、娼婦だと言われている。 今では、そのノスタルジーだけが、私たちの唯一の拠り所だ。 私たちには、もう身体がな 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:うわ・・・私の年収、行動 制限時間:15分 読者:25 人 文字数:649字
都市の片隅に、ある日ふらりと現れたそいつは、それはもう莫大な財産を携えていた。 どの国でも、たとえば首都であれば、富豪という生き物は別に珍しいものでもないが、 〈続きを読む〉