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お題:彼の超能力 制限時間:15分 読者:53 人 文字数:613字

この世に一人のマイノリティ ※未完

 空を飛んだり、未来を視たり、物を触れずに動かしたり、人の心を読み解いたり。
 かつて魔法という言葉に託されていた憧れが行き場を失い、入れ替わる形で与えられたのが超能力というやつだ。つまりは魔法と同じ、人間にとっての想像力の余白。
 あくまでも真っ白な余白でしかないが、失ってしまっては息が詰まるもの。
 そしてあくまでも余白だから、本当に、本当の、超能力者という奴は、いない。悪魔の証明だと言うなら留保を付けよう、悪魔と同程度には、いない。

 やたらに明るい蛍光色の背表紙ばかりが並ぶ、大型書店のスピリチュアル・コーナーで、どれもこれも似通った温度のタイトルたちを眺めながら、この世でたったひとりの超能力者である彼は、薄い軽蔑の思いを飴のように味わっていた。隣に背を丸めたサラリーマンの男が立ち、五分ほど立ち読みをしてから、宇宙と前世について高らかに歌いあげている本をレジに持って行った。まあ出版社と書店と著者が儲かるのは良いことだ。たぶん。
 彼は本来の目的である向かいの棚に目を戻し、経営とリーダーシップの本を丁寧に三冊ほど吟味して、経済雑誌と一緒にレジへ持って行った。

 彼は自身が超能力者であるとは自覚していない。気づいたとたんに羞恥で死んでしまうだろう。
 さらに言えば、彼の超能力は、空を飛ぶことも未来を視ることも物を動かすことも人の心を読み取ることもできない。人間にとっては一切役に立たないし、それがty
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