ユーザーアイコン
お題:彼の超能力 制限時間:15分 読者:46 人 文字数:613字

この世に一人のマイノリティ ※未完

 空を飛んだり、未来を視たり、物を触れずに動かしたり、人の心を読み解いたり。
 かつて魔法という言葉に託されていた憧れが行き場を失い、入れ替わる形で与えられたのが超能力というやつだ。つまりは魔法と同じ、人間にとっての想像力の余白。
 あくまでも真っ白な余白でしかないが、失ってしまっては息が詰まるもの。
 そしてあくまでも余白だから、本当に、本当の、超能力者という奴は、いない。悪魔の証明だと言うなら留保を付けよう、悪魔と同程度には、いない。

 やたらに明るい蛍光色の背表紙ばかりが並ぶ、大型書店のスピリチュアル・コーナーで、どれもこれも似通った温度のタイトルたちを眺めながら、この世でたったひとりの超能力者である彼は、薄い軽蔑の思いを飴のように味わっていた。隣に背を丸めたサラリーマンの男が立ち、五分ほど立ち読みをしてから、宇宙と前世について高らかに歌いあげている本をレジに持って行った。まあ出版社と書店と著者が儲かるのは良いことだ。たぶん。
 彼は本来の目的である向かいの棚に目を戻し、経営とリーダーシップの本を丁寧に三冊ほど吟味して、経済雑誌と一緒にレジへ持って行った。

 彼は自身が超能力者であるとは自覚していない。気づいたとたんに羞恥で死んでしまうだろう。
 さらに言えば、彼の超能力は、空を飛ぶことも未来を視ることも物を動かすことも人の心を読み取ることもできない。人間にとっては一切役に立たないし、それがty
作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:彼の超能力 必須要素: 制限時間:15分 読者:41 人 文字数:778字
わたしの部屋は汚い。部屋が汚い人間はおおよそ二種類に大別される、というのは長らく汚部屋で寝食をこなしてきたわたしの持論である。汚部屋に住む人間の友人もまた汚部屋 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:聖女ミスリア巡礼紀行 お題:フォロワーの別居 制限時間:15分 読者:18 人 文字数:1000字
はずかしい話、顔も知らない相手に助けを求められたのは初めてだった。 もしかしたら世間のSNS利用者たちはこういった経験をよくしているのかもしれないが、ツイター 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
八百万分の一 ※未完
作者:たまきっぱい お題:奇妙な民話 制限時間:15分 読者:7 人 文字数:675字
祖母は優しい人で、物語が大好きだった。色々な話を聞かせてくれたのは自分が幼少期の話で、何年か前に祖母は亡くなっているのだが、好きだった話のひとつが「はぐれの唐傘 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:やすひと。 お題:明日の笑い声 制限時間:15分 読者:18 人 文字数:395字
「スマイルキーピングっていうから笑顔の押し売りか何かやってるのかなって」「そんなことはありません。皆さんにゆっくりくつろいで欲しいただのBARですよ」「ふふッ、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:昼のヒロイン 制限時間:15分 読者:1 人 文字数:464字
「みんなーっ!ドッジボールやろーっ!」「」 4限の授業を終わりを告げる鐘が鳴った、先生がまだ教材をまとめていて教室を出て行ってないような時によく響く声が教室を揺 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:ロシア式のぺろぺろ 制限時間:15分 読者:2 人 文字数:924字
「あちっ!」 あれほど用心深く息を吹いて冷ましたにも関わらず、ビーフストロガノフは私の舌を焼いた。「そんなに熱いとは思わないけど……りっちゃんは猫舌だねえ」 恋 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:かたいところてん 制限時間:15分 読者:12 人 文字数:1315字
もうあの男は許せない。一発殴って、すべて終わらせてやろうと決めた。 頭に血が上ったわたしが選んだ凶器は、レンガだった。ねずみ色の、つかむのにちょうどいいくらい 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:日ノ宮理李@バブみ道団長 お題:見憶えのある極刑 制限時間:15分 読者:19 人 文字数:938字
私刑を見るのはこれで何度目だろうか。『悪を滅ぼすために悪になる』 最後に見たお姉さまはそう言ってた。 弱い私を守る勇者がお姉さまだった。 いじめられっこを殴り 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
※未完
作者:早良しの お題:見憶えのある極刑 制限時間:15分 読者:12 人 文字数:330字
誰かがボタンを押したらしい。一瞬のうちに地面がなくなり、喉にロープが喰いこんだ。 もうすぐ自分は死ぬのだ。 思考はクリアだった。苦しみは一瞬で終わるだろう。全 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:賢いむきだし 制限時間:15分 読者:5 人 文字数:235字
形の良い薄い唇が弧を描く。うっすらと薄められた両目は情欲に濡れていた。陳腐な例えだけれど、彼の揺れる瞳はわたしの胸を遠火で焦がす炎のようで、ほのかに暖かい指先 〈続きを読む〉

の即興 小説


ユーザーアイコン
作者: お題:静かなパイロット 制限時間:15分 読者:16 人 文字数:723字
この舟は、彼の眼差す方へ進む。 そのように作られたのだと、小さな頃に聴いた。 操縦席は一般開放されている。 周囲を窓でぐるりと覆われた、展望の良い場所だ。操縦 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:たった一つの解散 制限時間:15分 読者:20 人 文字数:507字
最期まで誰にも気づかれることはなかった。 ごくごく平凡な会社員として五十歳まで穏やかに生きた男は、急性の病に倒れてからあっという間に生涯を終えた。彼の葬式もご 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:彼女が愛したいたずら 制限時間:15分 読者:16 人 文字数:507字
私、決めた、もう二度と人間に生まれ変わったりしない。 彼女は晴れやかな笑顔でそう宣言した。入水してから30分後、互いに生き絶えてからのことだった。真冬の夜、薄 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:彼の奈落 制限時間:15分 読者:15 人 文字数:670字
穴があったら入りたい、という願いの成就はなかなか難しい。 この時代、特に都市部では、土という土はアスファルトで塗り固められ、ちらほらと残る植え込みもすでに街路 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:嘘のサーカス 制限時間:15分 読者:14 人 文字数:269字
実用テストをパスできなかった試作品。 一度もメンテナンスされることなく廃棄された義体。 時代遅れの型番落ちとして倉庫から大量に放出されたアンティークたち。 投 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:僕が愛した湖 制限時間:15分 読者:12 人 文字数:345字
僕の国では夜のことを風と呼ぶ。 そして逆に、風のことを夜と呼んでいる。 昔はきっとあべこべでなく、夜は夜、風は風だったのだろうけど、誰かが言い出した比喩があま 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:メジャーな妹 制限時間:15分 読者:13 人 文字数:461字
妹が生まれたとき、お祝いにやってきた妖精たちは、皆それぞれ個性豊かな祝福と呪いを授けていった。我が家は普通の一般家庭だったから、お伽話に語られる王家のお姫様に 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:今年の勇者 制限時間:15分 読者:40 人 文字数:602字
厳選なる籤引きの結果、という前置き付きで、ついに呼び出しが掛かった。 狭苦しい玄関の向こう、日差しを受けたラッパが一瞬輝くのを見ただけで、今年の勇者にはそれが 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:勇敢な祖母 制限時間:15分 読者:31 人 文字数:570字
臆病で何が悪い、というのが祖母の口癖のひとつだった。 善良で、勇敢で、優しくて、利他的であった自慢の夫を、その性格が必然的に導く自己犠牲の精神によって失ってか 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:静かな海風 制限時間:15分 読者:38 人 文字数:864字
明け方、波打ち際で、若い鴎が冷たくなっていた。 もっとも、若い、というのは単なる想像だ。なんとなく、その硬く閉ざされた瞼の感じとか、僅かに開いた嘴の色合いだと 〈続きを読む〉