ユーザーアイコン
お題:彼の超能力 制限時間:15分 読者:16 人 文字数:613字

この世に一人のマイノリティ ※未完

 空を飛んだり、未来を視たり、物を触れずに動かしたり、人の心を読み解いたり。
 かつて魔法という言葉に託されていた憧れが行き場を失い、入れ替わる形で与えられたのが超能力というやつだ。つまりは魔法と同じ、人間にとっての想像力の余白。
 あくまでも真っ白な余白でしかないが、失ってしまっては息が詰まるもの。
 そしてあくまでも余白だから、本当に、本当の、超能力者という奴は、いない。悪魔の証明だと言うなら留保を付けよう、悪魔と同程度には、いない。

 やたらに明るい蛍光色の背表紙ばかりが並ぶ、大型書店のスピリチュアル・コーナーで、どれもこれも似通った温度のタイトルたちを眺めながら、この世でたったひとりの超能力者である彼は、薄い軽蔑の思いを飴のように味わっていた。隣に背を丸めたサラリーマンの男が立ち、五分ほど立ち読みをしてから、宇宙と前世について高らかに歌いあげている本をレジに持って行った。まあ出版社と書店と著者が儲かるのは良いことだ。たぶん。
 彼は本来の目的である向かいの棚に目を戻し、経営とリーダーシップの本を丁寧に三冊ほど吟味して、経済雑誌と一緒にレジへ持って行った。

 彼は自身が超能力者であるとは自覚していない。気づいたとたんに羞恥で死んでしまうだろう。
 さらに言えば、彼の超能力は、空を飛ぶことも未来を視ることも物を動かすことも人の心を読み取ることもできない。人間にとっては一切役に立たないし、それがty
作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:彼の超能力 必須要素: 制限時間:15分 読者:15 人 文字数:778字
わたしの部屋は汚い。部屋が汚い人間はおおよそ二種類に大別される、というのは長らく汚部屋で寝食をこなしてきたわたしの持論である。汚部屋に住む人間の友人もまた汚部屋 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ぽつタイプライター お題:最後の作品 制限時間:15分 読者:12 人 文字数:843字
チャンブリジンズは作った作品を見下ろし、思い切りため息をついた。見てわかる、鮮やかさが足りない。絵具を塗りたくった「だけ」のような、素人がつくる作品に近い。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
最後の芸術 ※未完
作者:匿名さん お題:最後の芸術 制限時間:15分 読者:1 人 文字数:820字
「僕には、もう残り時間がありません」そう言って、彼は突然私に声をかけてきた。ナンパする男なんて最低だと思っていたけれど、それでも彼の真摯な瞳は胸に突き刺さるもの 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
廃世界 ※未完
作者:匿名さん お題:哀れな血 制限時間:15分 読者:4 人 文字数:374字
毎日一定量の血を抜かれる。 それと引き換えに望み通りの生活を手に入れられるとしたら、君はどうするだろうか。 血、と言っても健康を害しない程度の量だ。 多くの人 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:12月の愛 制限時間:15分 読者:3 人 文字数:471字
今日のために、私は1年準備をしてきた。なんてったって今日は聖夜!クリスマス!世に言う恋人たちの日である。そんなおいしいイベントにこの私が乗っからないわけがないじ 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
作者:まろやかに傾く人 お題:天才の結婚 制限時間:15分 読者:11 人 文字数:424字
あの頃の僕は自分の能力が優れていると確信していたし、世間一般の目から見てもそれは事実だった。 次々と新技術を開発する自分を天才だという人は多かった。 少し調子 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:日ノ宮理李@ハナモモと美弥花 お題:僕の嫌いな鳥 制限時間:15分 読者:21 人 文字数:681字
「どうしてお前はいつも僕の知らない間にご飯を食べて鳴いてるんだ?」 ペットのにわとりをなでてもこけこけごきごきぐけぐけと動くだけで僕の感情は一方通行。「にわもい 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:瓜ノ助 お題:アルパカのエリート 制限時間:15分 読者:9 人 文字数:512字
自分にだけ向けられるスポットライト。無機質な観客の視線。舞台袖からの無言の声援。肩に感じる、圧とかプレッシャーとか。不安とか。全部、化粧の下に隠して。全部、別人 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:愛と憎しみの体験 制限時間:15分 読者:4 人 文字数:426字
身体に意識が舞い降りた瞬間、これは空を飛ぶ夢に違いない、そう確信した。 僕は広い駐車場の真ん中に立っていて、目の前には高いマンションがあった。 僕は走った。こ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
初詣 ※未完
作者:匿名さん お題:記憶の正月 制限時間:15分 読者:9 人 文字数:413字
特に信心深いと言うわけではないのだが、実家では元日に初詣に行き、破魔矢を新しく書い直すというのが恒例となっていた。その年も例年と同じように地元の小さな神社へと出 〈続きを読む〉

の即興 小説


ユーザーアイコン
作者: お題:メジャーな豪雨 制限時間:15分 読者:12 人 文字数:756字
熱帯地方、赤道の近く、周囲の地形と、風の通り道と、気温上昇、海との距離がたまたま上手く噛み合い、そこは世界でいちばん雨が降る街になった。およそここ三千年ほどの 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:イタリア式の祖父 制限時間:15分 読者:14 人 文字数:533字
御年80を迎えた祖父が、何故か唐突にイタリア語の勉強を始めた。 老人ホームへ見舞いに出かけた孫の口から齎されたその知らせは、話題に飢えていた親戚たちの間でちょ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:愛と欲望の彼氏 制限時間:15分 読者:13 人 文字数:341字
物心ついた頃、自分の家はなんだか妙だということに気がついた。 普通の家は、食卓の席に、うつくしい彫像を置いたりしない。彫像が生きているかのように、おはようとお 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:刹那のドロドロ 制限時間:15分 読者:17 人 文字数:707字
調節機能の壊れてしまったコンロのような、正確には、その壊れたコンロの上から動けずに噴きこぼれる鍋のようなひと、それが私の叔父だった。 幼少の折から、どうしても 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:簡単な悲しみ 制限時間:15分 読者:15 人 文字数:576字
人々の心の問題が多く取り沙汰されるようになってから約四世紀、今や、精神の健康は国にとって最も重大な関心ごとになった。なんたって不健康な心の人間は経済的ではない 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:女同士の、と彼は言った 制限時間:15分 読者:17 人 文字数:342字
私と彼はそれぞれ同性に恋をしている。 そしてそれを(互いを除いて)未だに誰にも言えずにいる。 一応、世間的には、私と彼は夫婦と呼ばれている。 まとめてしまえば 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:彼の超能力 制限時間:15分 読者:16 人 文字数:613字
空を飛んだり、未来を視たり、物を触れずに動かしたり、人の心を読み解いたり。 かつて魔法という言葉に託されていた憧れが行き場を失い、入れ替わる形で与えられたのが 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:免れた天井 制限時間:15分 読者:16 人 文字数:387字
昔、すごい雨に降られたことがあってねぇ、家の中で死にかけたんだよ。 それは、女子会でソーダ水の氷をストローでくるくる掻き混ぜながら宣うセリフではない。そもそも 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:くさい時雨 制限時間:15分 読者:18 人 文字数:579字
私達の国に降る雨は腐っている。 理由はよく分からない。大人たちはずっと昔からそうなのだという。隣の国では普通の雨が降っているらしい。ふつう、とはいえ、そんなも 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:夏のキス 制限時間:15分 読者:22 人 文字数:537字
早朝四時半。 夏至を挟んで二ヶ月ほどの間、この時間は薄明に包まれる。空の黒が薄れ、鳥がちらほらと鳴きはじめたら、あとはもう雪崩れ込むように朝だ。数時間も経てば 〈続きを読む〉