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練習五日目

「小学生の頃に打ったBCGの注射って、当時は人体実験か何かかと思ったんだよね。だってほら、ハンコ注射っていうの? あれ、よく見る注射と形が違うじゃん」
「わかる。今思うと拷問っぽいよね」

 とあるファストフード店でハンバーガーを齧っていると、隣に座っていた女性二人の話声が聞こえてきた。恐らくは同年代くらいだろう。昼時を過ぎているからか、彼女達の声はよく響いている。

「あれって、何であんな形してるのかな?」
「さあ? でも、超怖かったのは覚えてる。今でも痕残ってるし」
「あー! わかるー!」

 肩の辺りを擦って、二人が楽しそうに笑う。ううむ、誰でも考えることは同じなんだな。ハンバーガーを食べ終え、アイスコーヒーを飲む。

「……そういえば。都市伝説か何かで聞いたことない? あの注射が実はBCGじゃなくて、全然違う薬だっていうの。新薬とか、洗脳の薬とか、そういうのが注射されてる人も居るみたいだよ」
「えー、何それこわっ!」
「ねー。でもさー、本当に違う薬が注射されててもわかんないよね」
「こうやって生きてるから大丈夫でしょ、多分」

 楽しそうに笑う二人。やれやれ、この国は平和だなぁ。二人の会話を名残り惜しく思いつつ、食べ終えたゴミを捨てて店を後にした。

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