お題:オレだよオレ、何でも屋 必須要素:ギャグ 制限時間:30分 読者:57 人 文字数:1156字

オレオレ詐欺の末路
『オレだよオレ』

 電話の向こうから、男の声でそう告げられる。
 だから、こちらも問いかけた。

「そうか、オレだよオレ」
『はぁ!? 何いってやがるテメェ!! ふざけてんのか!?』
「そうそう、ふざけてるんだよオレ。だってオレは何でも屋なんだぜ?」
『何でも屋? 何でも屋ってんなら、何でもしてくれるんだよな?』

 オレオレ詐欺だったのだろうが、馬鹿にされたのが癪だったのか電話口の男はこちらにそう問いかけてくる。
 ああ、こいつ初犯だな?
 それを察しながら、こちらは続ける。

「ああ、なんでも用意できるぞ? お前は何を用意して欲しいんだ?」
『んなもん決まってるだろ! 金だよ金! 遊ぶ金がいっぱい欲しいんだよ!!』
「そうか、金か。分かった。オレは何でも屋だから何でも用意してやるよ。お前の住所は●●県◆◇市××町にあるコーポ△203号室だな?」
『…………え? な、何でそれを?』
「待ってろ、用意して持ってきてやるからよ」

 ようやくこちらの恐怖を理解したようで、電話口から聞こえる詐欺相手の○×★君は怯えた声を出した。
 そうかそうか、それほどお金が欲しいんだな。お金が欲しいから怯えてるんだ。
 待ってろよ、すぐに持って行ってやるから!


 ~数時間後~


 通話の切れた電話を持ちながら、コーポ△203号室に住む○×★くんは膝を抱えながら怯え切っていた。
 だが、視線は虚空でも床でもない、テレビに向けられているのだ。
 映し出されているのは生中継のニュース速報であり、その殆どは銀行強盗の物だった。

『えー、つい数時間前にこの銀行を皮切りに一人の男が強盗を行い、お金を奪い取って逃走を繰り広げております。
 犯人は、○○代の男性で、スーツ姿で……強盗内容は『オレは何でも屋だ! ○×★君のためにお金が必要なんだ! だから金を寄越せ』と意味不明なことを言ってお金を奪い取っていきました。
 ――あ、今速報が入りました! 犯人であろうスーツ姿の男性は近所に住む★☆金さんを攫っていった模様です!』

(な、なんだよこれなんだよこれなんだよこれっ!? オレオレ詐欺でお金がほしかっただけなのに、何でこんなことになっちまったんだよ!? こんなことなら、オレオレ詐欺なんてするんじゃなかった!!)

 心の底から○×★くんは後悔をしているのだが、もう遅い。
 地獄はすぐ其処に来ているのだから……。

 ――ピンポ~ン。

『○×★くーん! オレだよオレ、何でも屋だよ! 約束どおり欲しいって言っていた金をいっぱい持ってきたよ!』

 遠くからサイレンが鳴り響き、近くでは老人の助けを求める声が聞こえる。

 その声を聞きながら、○×★くんのこれからの明るいはずの人生は終了したのだった。
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