お題:春の薔薇 制限時間:2時間 読者:430 人 文字数:2810字
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紅い薔薇(お題:春の薔薇) ※未完
古今東西、多種多様の花あれど。
バラほど世界各地で愛される花もそうはない。
派手。愛の象徴。優雅。
キミの誕生日に、年齢の数だけのバラの花束を・・・なんて言葉はもうどれだけ使い古されてるのだろう?

そういえば、不可能の象徴とされていた、青いバラも・・・いつの間にか出来上がっていた。
不可能が可能になり、キセキの象徴になり・・・と、これは今の私にとってはどうでもいい話。

問題は・・・目の前の光景だ。
「好きだ。付き合ってくれ」
そう言った彼が、私に向けている、1本の赤いバラの花束。正確には束、では無いけれど・・・
「えっと・・・うん?」
まだ状況が飲み込めずにいる。は?好きだ??付き合ってくれ??
いや、その申し出は凄く嬉しいし、呼び出された時に何も期待してなかったわけじゃない。
むしろ期待して・・・って、それも混乱してくるから、ちょっと考えるのやめよう。
どうしてこうなった??
どうなって、この状況を作り出してる??
「ねぇ・・・一つ聞いていいかな?」
私は必死になって事態の把握に乗り出した。

彼との付き合い・・・知り合いになったのは、高校を出てスグの頃。
まだ桜の咲いてる時期だった。
大学への進学をきっかけに、私は晴れて一人暮らしという自由の身をゲット。
大学に近いアパートを借りて・・・彼に出会った。
彼は1年上の同じ大学・同学部というのは最初の挨拶で知ったものの、そこからは会ったら挨拶を交わす程度。
その関係に少し変化があったのが、入学式を終えてからの新歓コンパ。
色んな先輩が居る中・・・彼もそこに居た。
それから仲が深まるまで、それほど時間を必要としなかった。
近くに居る趣味の合う人。
それが私と彼の関係。
それが、私達を表す記号。
サッカーが好き。でも、人数を集めるのに苦労する。だったらフットサルで・・・
それが私と彼の共通項。
好きなチーム:イタリアの赤・黒のストライプのチーム。
好きな国:イタリア
これも共通項だっけ。
皆で集まって、深夜の放送を見ながら、あーでもない、こーでもない、と激論を繰り広げ、朝日が昇るとコートで試合、なんて日々を送りながら、夏休みが終わった辺りに彼が、こう質問してきた。

『あのコ、彼氏いんの?』

それは同学年の、同じサークルのコだった。
同じ女性だから、とサークル内で最初に仲良くなったコ。
私はプレーヤだけど、彼女はマネージャー。
長い髪をサラサラとなびかせて、華奢で、傷一つ無い綺麗なコ。
かたや、プレーに邪魔、と髪はショート。男子に混じってプレーしてるから、華奢でもないし、色々無理するもんだから、膝なんて傷だらけの私。
あぁ、ああいうコが好みなんだ、とちょっとショックを受けたのを覚えてる。
でも、仕方ないよねぇ・・・と思って、聞いてみる?と軽く言ったのが運の尽き。

彼氏居ない。でも恋愛したくないわけじゃない。彼のこと、結構タイプかも・・・

そんな話を聞きだす事、それを彼に報告する時間の方が、何よりも多くなった。
そして『女友達なんてほとんど居なくて・・・』と、何故か恋愛相談までされる始末。
的確かどうかは分からないけれど・・・結局彼とあのコはクリスマスを前に付き合うことになった。

良かったね、おめでとう。

この時の私はちゃんと笑えてたかな?
照れながら『ありがとう、でさ・・・』と、クリスマスのデートプランを相談してきた彼を思い出すと、
どうやら上手く出来てたらしい。

一人暮らしをして、最初のクリスマス・・・サークルの皆に誘われたものの、なんかそんな気分じゃなかった。
あーあ、なんで恋愛相談やら手引きやらしちゃったんだろう・・・

そんなモヤモヤした気持ちで居ても、時間は過ぎるもので・・・お正月、テスト、バレンタイン、と
何事もなく過ぎていった。
一応バレンタインには本命チョコを、バレないように渡したが、本人にも気付かれなかったらしい。
彼とあのコも順調なようで、私は少しだけサークルに居づらくなった。
少し距離を置こうかなぁ、とサークルにも顔を出す頻度が少なくなった、初春。
年度が変わるか変わらない頃・・・私と彼が出会って1年が経った頃。

彼とあのコが別れた。

理由は聞いていない。ただ、サークルに顔を出すと、あのコの顔はなかった。
触れても良いのか、迷っていた時・・・あのコから、別の人を好きになった、と聞かされた。
それで、別れちゃった、と。別のサークルの人で、ちょっと顔出すのが気まずいから、サークルも移るね、と。

一応、理由は知ったものの、彼がまだ彼女を好きなのは目に見えてた。
サークルに顔を出すと、私を見つけた後、少し悲しそうな目をする。
これは、私に対してだけでなく、他の女性の時でも同じようだったけど・・・その度に見てられない、
何とも言えない気持ちが襲ってきた。
サークル内では、彼が振られた、という事で慰める?会という名のタダの飲み会も開かれた。
それ以降は彼も少しずつ回復していった気もする。
私も少しずつ、笑い話にしてた気がする。
前のように、深夜のサッカー中継を観ながら、ああだこうだの激論になり、その足でフットサルコートへ、の日々が戻ってきた。
戻ってきた、と思っていたのに・・・


学年が一つ繰り上がって、少ししてから彼から呼び出しのメールがあった。
『ちょっと話がある』と。
アパートでもいいだろうに、何を話すのやら・・・と、思ったものの、少しの期待もあって、
待ち合わせたサークル塔にて。


「好きだ。付き合ってくれ」

「えっと・・・うん?」
と、最初の時系列に戻る、と。
事態の把握、完了。Q.E.D.と。
・・・いや、証明終了も何も・・・。
「ねぇ・・・一つ聞いていいかな?」
場を繋ぐために、なんとか言葉をひねり出す
「どうしてバラが一本?」
「ボッコロの日」
・・・あぁ、イタリアの風習で、男性が愛する女性に、一輪の赤いバラを、なんてのがあったっけ。
確か・・・悲恋の話ではあるけど、あれも春だったか。
「で、何で私なの?」
「質問は1個じゃねぇの?」
えぇ、確かに一つ聞いてもいい?とは聞いたけど・・・突っ込み所が多すぎる。
「じゃぁ、まとめて聞きなおすね。何故まだ元カノの事が好きなように見えるアナタが、彼女とはおおよそ真逆に位置するような私に、好きだ、とバラの花を?」
「それは一つ、か?」
「一文、ではあるよ?」
「あのコの事はもう忘れた、って言ったら嘘になるけど、それほど気にならない。確かにあのコとお前じゃ真逆・・・とは思わないけど、全然似てないのも知ってる。でも、いて欲しいときにいてくれる、お前が好きになった」
これでいいか?と彼は少し照れくさそうにして話してくれた。
「バラは・・・まぁ、お互い好きな国もあるし・・・何となく」
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