お題:肌寒い小雨 必須要素:ひょっとこ 制限時間:15分 読者:238 人 文字数:727字
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小雨が目にしみる
 今日も駄目だった。昨日も駄目だった。一昨日も駄目だった。よって明日も駄目だろう。明後日だったらどうにかなるだろうか、いいや否!
 そもそもこんな心意気でなせるものならば、きっとずっともっと早くスマートに事はなせているだろう、そう心意気!きっとそこらへんが駄目だった、そうそこが駄目ポイントだった!

 ……と言い訳を並べても肌寒いホームがどうなる訳でもなく、私と彼の関係が縮まったり急接近する事もない。だってもう別れちゃったし。なぜ私と彼は反対方向なのでしょうかと何度繰り返したか分からない問答もすっかり飽きた。いやウソです飽きる訳ないし今でも憎たらしいです神様。
 もっと、タイムリミットが長ければ、もっとお近づきになれるんじゃないかな、なんてまた言い訳が頭をループする。だって、改札で、階段で、はいさようならなんてあんまりじゃないですか。
 さっき彼を飲み込んでどこかに行ってしまった電車はそれっきり、なかなか私を迎えにも来てくれない。ひゅうと風がふいて、ちょっとしっとりした空気が肌をじわじわと浸食する。やめてほしいな、なんだか泣きたくなるじゃない。

 別に、ちょっとお近づきになりたいだけなんです。ウソ、かなりお近づきになりたいです、あわよくばちゅーとかしたいです、好きって言ってほしいなぁー、脈はかなりあると思うんだけどなぁー。けっこうね、いいと思うんですけど。
 鞄から鏡を取り出して、渾身のちゅーを放つ!クリティカル!私の精神に甚大なダメージ!去れひょっとこよ!

 ああ肌寒い世知辛い。あなたがもっと早くきてくれたら手遅れにはならなかったのよ電車さんどう責任とるの!っていうかこれはあれよ、雨なんで、小雨が目にしみたんですよ電車さん!
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