お題:昔の誤解 必須要素:テレビ 制限時間:2時間 読者:160 人 文字数:1400字

ご飯星人現る



 昔、私はテレビでこんなことを知った記憶がある。
 ご飯はオリゴ糖を含むため、腸内環境改善するのに適している、と。
 それを信じた私は、毎日ご飯を欠かさず食べたものだ。
 尤も、それは間違いだったことを知ると、ご飯を食べなくなってしまったが。



 そして今現在、私は宇宙船の中にいる。
 これは揶揄でもなく、ジャンルがSFであるわけでもなく、2016年現代の私の身に起こっていることだ。
 まぁオカルト的に言えば、UFOに攫われた、とでも言うのだろうか。
 私を攫った宇宙人は有り体に言ってしまえば、ご飯粒に似ていた。
 それで私は、ご飯を食べなくなった罰なのだろうかと思ったわけだ。



 私は手術台と思しき台に、小人の国のガリバーの如く縛り付けられていた。手足の自由はないが、幸い口は自由なので何かモノを言うことはできる。
「あのー……私に対して、何か用でもあるのでしょうか?」
 私はそう叫ぶと、私を攫った宇宙人――暫定名称としてご飯星人――たちは、何かガヤガヤとどやし始めた。
 ご飯星人の言語が日本語ではないのか、ご飯星人の声が小さいのか、複数人で喋っているのか、私にはご飯星人の言葉を聞き取ることができない。
「あの……聞き取れないので、代表が大きな声かつ、日本語で喋ってもらえないでしょうか?」
 やけくそ気味に、私はご飯星人に私が聞き取れるように促した。
 すると、一人(一粒?)のご飯星人が私の前に出てくる。そのご飯星人は私の期待通り?に大きな声かつ日本語で喋り始めた。
「このような手荒な歓迎を申し訳なく思う。だが、危害を加える意図はないので安心して欲しい。」
「私に何の用がありますか?できれば手早く済ましたら、速やかに家に帰って真田丸を見たいのですけど……」
 今何時くらいなのだろう?18時のメロディーチャイムが鳴ったから、時間的猶予は少ないはずだ。
「私たちは、人類の体内に潜入し、調査したい。故に貴方には是非とも協力して欲しい。」
「つまり私の身体の中に入れて欲しい、と?」
「そうだ。」
 ああ、道理で口が自由なのは、口から体内に潜入するつもりだったのか。
「本当に危害を加える意図はないですか?」
「そうだ。」
「なら、まぁいいかな。」
 そんなわけで、ご飯星人は私の体内に入ることになった。
「あー予め言っておきますけど、塞がれている道……気道っていうんですけど、そこには入らないでくださいね。そこ異物が入ると私の身体に悪影響があるんで。」
 と注意をしつつ、私は口を大きく開けて彼らを招き入れる。
 百人(百粒?)くらいのご飯星人が私の口から体内へ潜入していった。私は彼らを噛まないように吐き気を抑えつつ、嚥下して体内へ入れさせる。味は……噛み続けた甘いご飯の味がした。
 そして、彼らを体内に入れたまま、私は無事に家に帰ってきた。真田丸は既に終わっていた……。



 その後こうして普通に食事をして、下から出しているが、そこに彼らの姿はない。
 私の体調にも変化がないということは、彼らは上手く潜入できているようだ。
 おそらく私の腸内か、あるいはそこから血管に侵入したか……私に把握するすべはない。
 時が来ればまた宇宙船に行って、私の体内から脱出するということであるから、その時に聞こう。
 私はベットに入り、微睡みに身を任せた……。
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