お題:小説の中の豪雪 制限時間:15分 読者:154 人 文字数:752字
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間違った解決策 ※未完
暑い時に「暑い」と言うと余計暑くなる、と言うけれど。
だからと言って「寒い」と言えば涼しくなるかと言われたら、もちろんそんなわけがなくて。
それでも少しでも涼しさを求めて、私は寒さに触れることにした。
クリスマスソングを流す、寒色の服を着てみる、スマートフォンのホーム画面を雪だるまの写真にしてみる。などなど。
そんなことやってないでとっととエアコンつけろって?
ははは。
壊れたんだよ! できるんなら最初からやっとるわ!
電気屋さんが助けに来てくれるまであと一日。
この猛暑に大忙しらしい。
扇風機でも買ってみるかと思っても、この炎天下に外出する気なんてまったく起きない。
仕方なく、仕方なく思いつく限りの寒さ体験をしているのだ。
ああ、暑い。
ごろんと寝転がるとフローリングがほんのり冷たくてくっついてみるが、ものの数秒でじわじわと汗がにじみ出てきた。
しかたなくごろんごろん、と場所を変えて同じ行動に終始する。
「あ」
部屋の隅まで転がったとき、本棚の中の一冊が目に入った。
真っ白な装丁で一際目立つそれを取り出してみる。
表紙をめくって文字を追う。
これも寒さ対策だ、と読み進めてみる。
それは冬の山村の話だった。
ある地方の昔話を由縁としたミステリーで、おどろおどろしい文体が特徴的、らしい。
らしいというのは、ちゃんと読んだことがないからだ。
昔好きだった人がこの作家のファンだったのだ。
けなげにも恋する私が話すきっかけを作ろうとそのとき出たばかりの新作を買ったのだ。
残念ながらその本を買った帰りに、彼が女の子とデートをしている姿を見つけてしまって、そのまま読まずに本棚に放り込んだ。
ああ、悲しき思い出。
だがもうその悲しみも今ではすっかり消え失せて、私にとってはもはやこれはただの本。
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