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 だから、多くの国の王が、猫を愛した。
 国において、たったひとり、王に従わず、何の恐れも持たず、ただ自らと美味と遊びだけに関心を持つ、小さな高貴な生きもの。どんなに自由な女性でも、王の前に出て平然とできる者は稀だ。だが猫ならば、平然としていない方が珍しい。

「さあ、おまえは逃げなさい」

 燃える城下を眺めながら、王は自らの膝に丸まっていた老齢の猫を床に下ろした。猫は急に動かされたので、不機嫌そうにふさふさの尾を振り、王を睨んだ。


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