お題:愛すべき恋 制限時間:15分 読者:237 人 文字数:469字

愛と恋の序列【腐】
愛している、と兄は応えた。けれど恋してはいない、と兄は続けた。

「愛してはいる」
「うん」
「お前は、俺の大事な弟だ」
「うん分かってる、知ってるさ、兄様」

シュラが抱く兄への恋心は生まれた時から死んでいる。物心つく前に両親を亡くしたシュラにとって兄は唯一無二の肉親で、育ての親で、大切な人。兄がシュラを家族として愛しているように、シュラも兄を愛している。ただ、シュラは愛するだけでは感情の名が足らず、兄に「恋」もしてしまった、それだけのこと。

「せめて、弟でなければ、女だったら、兄様は俺の手を取ってくれたかな」
「何を言っているんだ、シュラ」
「ねえ、兄様」
「俺の手は二本しかない、そしてそれはずっと前に埋まっている」

シュラの両の手をそっと握って。

「……兄様が俺を愛しているのは、弟だからだろ?」
「いけないか」
「弟だから愛して何が悪い?」


「お前が生まれた時その瞬間からお前を愛しているのに。お前と同じ恋をしなくては、いけないか」

きっと恋よりもずっと重くて温かいぞ。愛すべき恋が再び呼吸を始める音を聞いた。
作者にコメント

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