お題:闇のいたずら 制限時間:15分 読者:317 人 文字数:1464字

少女の夢
そこには小さな子供が居ました。
子供はただただ立っているだけでした。
何故そこに立っているのでしょうか、それは子供にも分かりません。
子供が立っているのは暗闇の中でした。
子供、少女はとても不安で、寂しく、辛く、今にも泣きそうな表情で、ただただ暗闇の中を見ているだけでした。

少女は歩こうと思いました、この先何があるか分からない、けども何かアクションをしなければ意味が無いと悟ったからです。
少女はこの数分間で成長しました。
勇気と知恵を持ち合わせたのです。
足を踏み込みました、そこには床がありました。しっかりと床がありました、床があるのかでさえも少女には分からなかったので、少女は少しだけ安心しました。
一歩踏み入れただけで、ここまで安心出来るものなのかと少女は感動をしました。
また一歩、また一歩、また一歩。

そして、気がつくと少女はスキップをしていました。
動けることの喜びを得たのです。
少女はスキップをしていると、腕も動かせることに気づきました。
腕を振ります、そこには何も無いので大きく、大きく振り回します。

しばらくして、少女は急に止まりました。
少女は疲れたのです、止まるとまた少女は不安になりました。

「怖い、助けて」

少女が呟くと、何故だか少女は跳ね上がりました。
少女は喋ろうとしても喋れなかったのです。
喋れる喜びがまたこみ上げてきました。
少女は喋りました、一所懸命ずっと喋り続けました。

次第に少女は歌を歌い始めます。
その歌はデタラメな歌でした、しかし少女にとっては愉快で、楽しく、不安を打ち消す歌でした。
少女は思いました、もっと楽しいことは無いかなと。

すると、少女は歌いながら踊り始めました。
手と足と、声がある今、少女は不安要素というものは全て吹き飛んでしまったのです。

けれども、その喜びは長くは続きませんでした。
また少女は疲れてしまったのです。
目をつぶっても、あけても見えるのは同じ光景だけ。

少女は踊るのを辞め、歌うのも辞め、ただただ歩いていました。
歩き続けました、何の目的もないまま、歩くだけでした。

床の感触が違うことに気が付きました。
今まで冷たかった床が、今度は滑り気のある床になっていたのです。
少女はまた不安になりました、この後どうなるんだろうと嫌な予感しかしませんでした。
怖くなって、走り出しました。
走って進めばこの暗闇から解放されると思ったからです。

「怖い、助けて、怖い。誰か、来て……あっ!」

と言った瞬間、少女は転びました。
しかし、床は滑り気があったので膝を擦りむくことはありませんでした。
その時少女は初めて泣きました。

「暗闇やだよぉ……暗闇怖いよぉ……」

泣き続けても、誰かが返事することはありません。
そこは暗闇だからでした。

「闇の悪戯だよ」

突然声がしました。
少女は立ち上がり、辺りを見回しました。

「君は夢を見ているんだ、小さな夢。だから目が冷めれば闇の悪戯から解放される。この滑り気のある床も、闇の悪戯なだけなんだ」

その声の元を辿ろうとしても、見えるのは暗闇だけでした。

「大丈夫、もう少しだから。頑張って」

聞こえる声でさえも不安を煽るように感じました、しかし少女にとってそれは最後の希望でした。

そして、少女は走り続けて。

走り続けて。

やっと光に出会えたのでした。

「おめでとう、君は闇の悪戯から解放されたんだ。おめでとう」





その時、生命が一つ、産まれたのでした。
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