お題:君のブランド品 必須要素:ケチャップ 制限時間:1時間 読者:266 人 文字数:994字

青木さんを抱きしめて ※未完
 午後の授業までにはまだ時間があった。とはいえすることも特にないので、大学のがらんとした大教室に一人で座っていた。
 しばらく経つと、見たことのある顔が入ってきた。話したことはないが、同じ授業を取っている女子生徒だ。顔は結構可愛い方で、授業も真面目に受けている。しかし見かけとしては、ブランド品と思われるバッグを常に持ち、化粧が濃く、香水の強い匂いをまとっていたので、僕としては苦手な雰囲気だった。名前は……「青木」のような名前であった気がする。
 その青木さんはこの広い教室に入ってきて、僕の席のほうへ歩いてきた。他に誰もいない静かな教室で、青木さんの身に付けているどこかのアクセサリーがちゃらちゃらと音を立てているのが聞こえた。その音は次第に近づいて来て、いつものあの青木さんの匂いもしてきた。
 僕の机のところまで来たら青木さんは立ち止まった。そしてそのまま僕の隣に座った。青木さんのどこかのアクセサリーが椅子か机に当たり、カタリと音を立てる。
 一体どうして青木さんは僕の隣に座ったのだろうかと気になり、同時に青木さんの匂いは近くで嗅ぐとそれほど悪くないなと思った。

 ——それが10時間前。

     ○

 僕のアパートのベッドには、白い肌が露わになった青木さんが横たわっていた。白いシーツには血が染みていた。青木さんは焦点の定まらない目で、天井を見つめていた。
 彼女が望んだとはいえ、僕は勢いでとんでもないことをしてしまったと思った。鼓動が強く胸を打ち付ける。これが最善なんだと自分に何度も言い聞かせた。
 青木さんの胸にはまだ包丁が突き立てられていた。そして未だにそこから血が滲み、シーツの染みを大きくしていく。
 震える手で包丁を引き抜くと、そこからどろっと血液が流れ出てきた。ケチャップの血糊なんかとはまるで違っていて、生臭くて、ぬるぬるとしている。
 タオルで青木さんの胸を拭い、ガムテープで傷口を塞いでこれ以上血が流れ出ないようにした。目、鼻、口、耳、膣、肛門もガムテープでしっかりと塞いだ。そうしている最中も手の震えは止まらず、自分が青木さんを殺したという事実に恐れおののいていた。

 ——それが2時間前。

     ○

 なぜ僕は青木さんを殺したのか……


(未完!)

 完成稿はnoteに!
 https://note.mu/neko_inu
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