お題:男同士の死刑囚 制限時間:1時間 読者:1414 人 文字数:720字

とある処刑場の会話。
 それはとある処刑場。隣り合わせの二部屋の壁越しの会話。



「どーなのよ」
「何が」
「俺らあと数分の命ですよ」
「仕方ないな。それだけのことをした」
「何それ、余裕ぶっこいてんのー」

「……おい、10235号」
「何よ10237号」
「お前、何やったんだ」
「えー……何だったかな?」
「おい」
「だってさー、いろいろやり過ぎてわかんねーだもん」
「具体的には?」
「あー……まず母親を殺して」
「ほう」
「父親を殺したら」
「うん」
「伯父さんと兄貴に捕まった」
「……ださっ」
「ちょ、ダサい言うな! これでも頑張ったんだよ! 他に死者は出てないし!」
「ふーん」
「そー言う10237号は何やったんよー」
「俺か?」
「何やったん?」
「俺は大したことやってない」
「嘘付けー! だったら処刑なんてされないよ!」
「別に大したことじゃない─────ちょっと城下町でパレード中に爆弾を爆発させただけだ」
「……」
「何だ?」
「……そらまた随分とやっちまったのね」
「そんなことはないさ。精々名も無き国民が数十人天に還っただけだ」
「いやいや充分すから」

「……」
「……あー、薬効いて来たかも」
「俺もだ」
「ショボい人生だったなー……次はもーちょいマシなの希望」
「……次なんか在るのか……?」
「わかんねー。でも在るんじゃね?」
「いい加減だな」

「それが俺。────まぁ、良いや。楽しかったよ、
 莫迦な後継者にもなれない王子様の教育係だった不運な科学者さん」

「俺もそれなりに有意義だった。
 クーデターを起こしたら体良く利用され失敗させられた裏切られた王子様」



 やがて、そこには毒殺されたただの亡骸が。
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