お題:男同士の死刑囚 制限時間:1時間 読者:1352 人 文字数:720字

とある処刑場の会話。
 それはとある処刑場。隣り合わせの二部屋の壁越しの会話。



「どーなのよ」
「何が」
「俺らあと数分の命ですよ」
「仕方ないな。それだけのことをした」
「何それ、余裕ぶっこいてんのー」

「……おい、10235号」
「何よ10237号」
「お前、何やったんだ」
「えー……何だったかな?」
「おい」
「だってさー、いろいろやり過ぎてわかんねーだもん」
「具体的には?」
「あー……まず母親を殺して」
「ほう」
「父親を殺したら」
「うん」
「伯父さんと兄貴に捕まった」
「……ださっ」
「ちょ、ダサい言うな! これでも頑張ったんだよ! 他に死者は出てないし!」
「ふーん」
「そー言う10237号は何やったんよー」
「俺か?」
「何やったん?」
「俺は大したことやってない」
「嘘付けー! だったら処刑なんてされないよ!」
「別に大したことじゃない─────ちょっと城下町でパレード中に爆弾を爆発させただけだ」
「……」
「何だ?」
「……そらまた随分とやっちまったのね」
「そんなことはないさ。精々名も無き国民が数十人天に還っただけだ」
「いやいや充分すから」

「……」
「……あー、薬効いて来たかも」
「俺もだ」
「ショボい人生だったなー……次はもーちょいマシなの希望」
「……次なんか在るのか……?」
「わかんねー。でも在るんじゃね?」
「いい加減だな」

「それが俺。────まぁ、良いや。楽しかったよ、
 莫迦な後継者にもなれない王子様の教育係だった不運な科学者さん」

「俺もそれなりに有意義だった。
 クーデターを起こしたら体良く利用され失敗させられた裏切られた王子様」



 やがて、そこには毒殺されたただの亡骸が。
作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:きり子 お題:男同士の死刑囚 必須要素:ち○ち○ 制限時間:1時間 読者:431 人 文字数:3198字
俺は死刑になった。わーい母ちゃん、俺ついに死刑になったよ。報告したかったが、多分その前に通知は行っているんだろうなと思い至って居直った。看守がちょっと険しげな顔 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:おいでよ小説合宿 制限時間:1時間 読者:6 人 文字数:1184字
また、えらいところに来てしまったぞ…。それがここに来た時の感想だった。 高校で小説の面白さに気づき、そのまま流れるように大学は短大のノベライズ科へ進んだ。大学 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:こっころ お題:アブノーマルな笑顔 制限時間:1時間 読者:13 人 文字数:517字
「安全用のカバーが必要だよね」「え、そうすか?」「絶対焼きたくなるもん、手」「え、手ですか?」「ならない?肉があればそれを焼くけどさ、こうやって次の肉待ってる時 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:不思議な沈黙 制限時間:1時間 読者:9 人 文字数:978字
何も聴こえない。 街を行く人の動きも、口を大きく開閉して飼い主への愛情と忠誠を示す犬も、感じることができるのは視覚と触覚のみ。 この世界の生物は皆そうだ。 音 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
僕が犯人だよ ※未完
作者:匿名さん お題:都会の愉快犯 制限時間:1時間 読者:5 人 文字数:1958字
とんだ勘違いだった。 目の前の男は腕を抑えて地面に伏せている。それもそのはず、柔道の黒帯を持つ俺に敵うやつはそうはいない。今じゃ大きくなったこの街では、力も頭 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
じいさん ※未完
作者:匿名さん お題:オレだよオレ、曲 制限時間:1時間 読者:5 人 文字数:999字
建築30年程の年季の入った宿舎。同じ敷地にいるのは学生ではなく身寄りのない年寄りばかり。時折じいさん達は外でなんちゃってゲートボールをやっている。ほこり臭い畳。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ふみ@春眠 お題:求めていたのは国 制限時間:1時間 読者:23 人 文字数:1598字
――これはわたしのおばあちゃまとおかあさまの話ですよ、とおばあちゃまがおっしゃいました。 その頃のニンゲンは今とは違ってとても強欲で、昔々からお互いに譲り合っ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:純粋な遭難 制限時間:1時間 読者:12 人 文字数:890字
遭難した。 久しぶりに帰った田舎、実家の裏側にある山をのんびりと散策していたはずが、このざまだ。ちょっとした散歩のつもりで普段着だった上に、日が暮れかけている 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:アラスカ4世 お題:ドイツ式のオチ 制限時間:1時間 読者:26 人 文字数:1229字
「ここは……どこだ……?」 トラック(ドイツ製)に轢かれて意識を失った俺は、気が付くと薄暗い部屋で寝ていた。狭くて薄暗い部屋で、床には藁が敷いてある。「くさっ! 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:にしのりんご お題:フォロワーの痛み 制限時間:1時間 読者:30 人 文字数:2297字
フィ・ロアーは他人の痛みを感じ取る力を持つ、それ以外はごくごく普通の魔術師だった。ロアーの痛覚共有の範囲は、自分と触れ合った者に限定されたが、それが大怪我であれ 〈続きを読む〉

aza/あざの即興 小説


ユーザーアイコン
作者:aza/あざ お題:赤い14歳 制限時間:1時間 読者:876 人 文字数:1232字
酷い酩酊状態だったと思う。だが笑わざる得なかったのも一つだ。 何がお目出度いのかわからないが、ただ煙草を吸い酒を飲み、自我を崩落させるのは楽しかった。 理解な 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:aza/あざ お題:うるさい笑顔 制限時間:1時間 読者:990 人 文字数:1300字
俺は“あいつ”が嫌いだ。「いい加減にしてくれないか?」 何の変哲もない学校の渡り廊下。俺は“あいつ”を睨んだ。“あいつ”はきょとんとして、俺を見詰め返す。しば 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:aza/あざ お題:男同士の死刑囚 制限時間:1時間 読者:1352 人 文字数:720字
それはとある処刑場。隣り合わせの二部屋の壁越しの会話。「どーなのよ」「何が」「俺らあと数分の命ですよ」「仕方ないな。それだけのことをした」「何それ、余裕ぶっこ 〈続きを読む〉