お題:暑い凶器 制限時間:2時間 読者:704 人 文字数:1456字

夏は始まったばかり
「あづ~・・・・・」

季節は夏、誰もが猛暑と呼ぶ時期。
日差しという名の凶器を常に突きつけられ続け早十数分。
この凶器はヤバイ、痛い、暑い。
と、うなだれていてもどうにかなるわけではなく。
怠く重い足をかろうじて動かし、
コンビニで買ったアイスと飲み物その他を片手に、やっと家に辿り着いた。

『あ、伯父さん、おかえりなさ~い』

「あぁ、ただいま゛ぁっ!?」

『ん?どうしたの伯父さん、変な声出して』

クーラーの効いた俺の自宅で出迎えたのは、同居人である姪の美紅。
しかし、その格好は、いくら親族とはいえ目のやりどころに困るものだった。

「あのなぁ美紅・・・・・お前、女の子なんだから・・・・・」

『?』

「~~~~~、いくら俺が相手だからとはいえ!露出しすぎだ!」

『だって暑いんだもん!』

「暑くてもだ!」

最近買ったらしいジーンズ生地のショートパンツに水着などと、
下着でいるのと変わらんだろうに・・・・。
一先ず、クーラーを聞かせているというのに露出の高い美紅に、
そっと生地の薄いパーカーを羽織らせる。
・・・眉間にしわを寄せられたが、あえて無視する。
三十路越えてる男には目の毒だ、理性的な意味で。

「アイス買ってきたが、食べるか?」

『食べる!』

「ん、ほら。ちゃんと起き上がって食べなさい」

『はぁ~い』

寝転がっていた美紅にアイスを手渡す。
食べる時ぐらい起き上がらせようと、手を引いて起こしてやった。
面倒そうに身体を起こした美紅だが、やはり目のやり場に困る。
年頃で、しかもスタイルがいいもんだから・・・・はぁ。

『伯父さ~ん』

「なんだ?」

『アイス落ちちゃった・・・・』

「は?・・・・って、えええええええええ!?」

思わず目を逸らしていたところから振り返ると、
美紅のむ、胸に、あああアイスが・・・・落ち・・・て・・・・

『伯父さん、舐める?』

「アホか!?」

『むぅ~、私の身体じゃ舐められないっての?』

「そう言う問題じゃないだろ・・・」

ますます目のやり場がなくなっているこの現状、どうしてくれるんだ。
駄目だ、暑さで頭がやられたかもしれない。
落ち着け、冷静にタオルを美紅に手渡せば大丈夫だ。
洗面所から手拭いを濡らして持ってきて、美紅に差し出す。

「これで拭け。ベタベタになるぞ」

『ん~・・・伯父さん、拭いて』

「そこまで甘えるんじゃない」

『むぅ~・・・・・あ、じゃあ』

なんだ?いきなり美紅が立ち上がって、水着の紐に手を掛け・・・・なんだと!?
いやいやいやいやいやいやいやいやいくらなんでもそれはまずい!まずい!

「こらこらこらこら!男の前で脱ぐんじゃない!」

『えへへ~、伯父さんに色仕掛け~♪』

「高校卒業した身でタチの悪い冗談はやめるんだ!」

『冗談じゃないも~ん。伯父さんには襲われても合意だも~ん』

「お前の親御さんに顔向けできねぇからああああああああああああ!!!!!(泣)」



その後、夕方ごろにもかかわらず暑さを保ちまくってる外の気温を感じながら、
俺は1時間かけて兄夫婦の元へ行き、本日あったことを報告した。
謝罪しようと土下座に入ろうとすると、兄は言った。

【お前を責めることも訴えることもしないから、娘を頼む。】

それは、兄が妙に親らしい顔つきで告げた、俺へのある種の死刑宣告。
この夏、暑い凶器は、俺の首元を離れてくれないらしい・・・。





The End.
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